【お悩み相談連載:さらば青春の光・東ブクロの『こわいもんなし』】「今後の人生に不安を感じたら諦めて流されることも重要。僕も森田が良いネタ書くのを祈るだけでした」
■「他人と比較せず、流れに身を任せる」 【お悩みNo.12】今年27歳になります。周りの友人は結婚や妊娠出産などライフステージを進めているのにも関わらず、漠然と生きている自分にこれでいいのだろうかと悩んでしまいます。 このようなまま歳をとって30代に向かっていくことへの不安もあります。東ブクロさんは20代後半のとき、どのようなことを考えながら生活されてましたか?【PN:みゆまる・26歳・女性・会社員】 * * * 10年前って何やってたのかな。ちょうど前の事務所を辞めて東京にきて、しばらくたったあたりでしょうか。27歳なんてまだまだ若いですよね。なんで早く結婚したがるのか、僕にはわからん。結婚せんことで、打ち込めることもあるでしょうし、周りが結婚したからって悩むことないのに。 ――周りがどんどん次のステージに行ってしまうのが不安なのでしょうか。 そうなんですかね。僕らの職業はちょっと特殊で、20代後半でちゃんと飯を食えてるやつらがそもそも少ないですからね。不安はあったけど、何とかなるしかないと思ってました。 ――「何とかなる」ではなく「何とかなるしかない」。 何とかしようとは思うけど、でも結果ついてこへんこともあるからね。ある程度楽観的に「何とか売れるんちゃうか」と思ったから続けてこれた。人と比べても仕方ないし。 ――人と比べないですか? 比べないですね。友達が結婚したから自分もせなあかんとか、思わん方がええんでしょうね。あいつより俺の方が劣ってるとかも思わんほうがいい。 ――例えば同期が売れたら気にならなかったのか。 気にはなってましたよ。たとえばジャルジャルさんは年齢が近くて、めっちゃ売れるの早かったんですよ。あんときは同じ世代で売れてる人がおるってことに驚いた。でも、ちょっとくらいブレイクが遅い方が、後からのびるんちゃうか思って自分を納得させてました。次は俺たちやって。 ――当時は売れるために何に力を入れてましたか。 僕は自分でネタを作らへんから頑張りようがないんすよ。頑張りようがないから、もうほんま、森田からいいネタができてくることを祈るだけです。でもなかなか祈るって難しいですから。 ――どうやって祈っていたのでしょう。 ネタ合わせがある日は、いつもより10分早く起きて、ちゃんと朝ご飯を食べて、歯をしっかり磨いて、みなりを整えて待ち合わせ場所に向かいました。そうすることで、運気が上がるんちゃうかなと。やはり人生は運が大きい。人事を尽くして、何かがやってくるのを待つしかないときもある。 ――待つしかないと覚悟を決めることも大事。 そうね。自分にできないことを知るというか、無理しても仕方ないという諦めですね。そうやって肩の力を抜くと、いいことが起こったりするんです。20代の頃に売れたいと思ったから今があるとは思うけど、早い段階で、自分の力だけでは何ともならへんよって気づけたのは大きかったです。 流れに身を任せて、なるようにしかならないと諦める。気ままに流されるだけでも、楽しい人生を送れるんです。ほら、僕をみてください。 ●東ブクロ1985年10月6日生まれ 大阪府茨木市出身 〇2008年に現在の相方である森田哲矢とお笑いコンビ『さらば青春の光』を結成。2017年に本名の東口宜隆から現在の芸名である東ブクロに改名した。芸能界を代表するプレイボーイとしても知られており、スキャンダルも含め多くの浮き名を流してきた。公式YouTubeチャンネル『さらば青春の光Official Youtube Channel』 取材・文・撮影/キンマサタカ