飲酒運転…取り締まりの現場 人口10万人あたりの事故“最多”山梨県 「手持ちがなくて」平然とルール破り…
日テレNEWS
全国で飲酒運転による人身事故の件数が最も高いのが山梨県です。軽い気持ちで重大事故にもつながりかねない飲酒運転。先月、取材班は一層強化しているという、山梨県警の飲酒運転の取り締まりに密着しました。 ◇ 山梨県は7月末までの人口10万人あたりの飲酒人身事故件数が、全国最多です。県警は“重大事故につながる飲酒運転の根絶が喫緊の課題”と話します。 取り締まりを一層強化していて、8月末までに摘発件数は202件。 ●山梨県内飲酒運転摘発(8月末) 摘発件数 202件(前年同時期+24件) 飲酒人身事故 27件 ある日も、ハンドルを切るのが遅い車など怪しい挙動のドライバーに積極的に飲酒検査を行っていました。 捜査員 「前の運転手さん、この先左の交番に止めてください。左に寄ってください。ちょっとふらついたり、斜めに寄ったりとか…」 「運転手さん、膨らませてもらっていいですか、めいっぱいフーッて吹いてもらって。思い切り膨らませてください」 「飲んでないですね。(アルコール濃度)0.00ですね」 男性 「飲んでないって言ってるじゃないですか」 ◇ 日付が変わると、「飲んだら乗らない」というルールが平然と破られる現場に遭遇しました。 捜査員 「目が若干充血してるかな。ちょっと、お酒のにおいもするね」 車の動きがおかしい――警察はそれを見逃しません。車を運転していたのは女性で、甲府市中心街の飲食店で数時間飲酒をしたといいます。 捜査員 「どうして運転しちゃった?」 女性 「割と今は冷静で、帰れるかなと思った」 捜査員 「帰れると思っちゃった」 女性 「ちょうど手持ちがなくなっちゃって」 捜査員 「代行とかのお金が大丈夫かなって感じか」 検査の結果、呼気からは基準値以上のアルコール濃度が検出され、酒気帯び運転で摘発されました。 捜査員 「仕事や家族、今後の自分の生活もね」 女性 「大変なことになりますよね」 捜査員 「失うものが大きいから」 女性 「代行代のほうが安いですよね」 捜査員 「軽い気持ちでこういうことやると、もっと大きいことになっちゃうから、自分でやってしまったことなのでしっかり反省してもらって、今後二度としないようにしてもらいたい」 なくならない飲酒運転。死亡事故につながる危険性が高く、職や信頼まで失ってしまいます。県警は強く注意を呼びかけています。 山梨県警交通指導課 近藤豊次席 「飲酒運転による重大事故を招いたドライバーのほとんどが、“注意して帰れば大丈夫だと思った”という軽はずみな動機によるものです」 「飲酒運転は死の危険に直結する行為で、決して許されるものではありません。運転免許証の取り消し・停止等の厳しい行政処分や、民事の損害賠償が科せられ、加害者自身の人生をも崩壊させてしまう行為です。『飲酒運転をしない・させない』、この実践をお願いします」 県警が行った調査では飲酒運転した人の約6割が「注意すれば大丈夫だと思った」と答えていました。職場や家庭で飲酒運転をさせない雰囲気づくりが大切です。