50歳代《既婚・独身》平均貯蓄額はいくら?貯蓄は収入の何割を回してる?
50歳代になると定年退職まであと10年ほどになるため、老後資金について本気で考え出す方もいるでしょう。公的年金だけで足りない場合に、どのくらいの貯蓄があれば良いのか悩む方もいるのではないでしょうか。 ◆【一覧表】50歳代(既婚・独身)の貯蓄額と収入からの貯蓄割合をチェック 老後に必要な金額は、世帯構成やライフスタイルなどにより異なりますが、ゆとりある老後生活を送るために、できるだけの貯蓄はしておきたいものです。 本記事では、50歳代の平均貯蓄額や収入からの貯蓄割合について、既婚・独身別に解説していきます。 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
50歳代の平均貯蓄額を独身・既婚で比較
50歳代の金融資産の保有額は、既婚と独身とではどのくらい違うのでしょうか。 金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」と「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和5年)」をもとに確認していきます。 なお、以下でご紹介するデータには、平均値のほかに「中央値」が出てきます。中央値とは、データの数値を小さい順に並べたときに、ちょうど真ん中に来る数字のことです。 平均値は、データの中に値が極端に小さいものや大きいものがあると、それらの影響を受けて実際の平均とかけ離れた値になることがあります。 しかし、中央値は値の大小の影響を受けにくいため、実際の平均を知るのに適しているとされています。 ●【既婚】二人以上世帯の平均額は1147万円、中央値は300万円 50歳代二人以上世帯の金融資産の平均保有高は1147万円、中央値は300万円です。平均額と中央値に大きな差がありますが、実際には300万円が平均と捉えてよいでしょう。 定年退職まであと10年程と考えると、もう少し高額な貯蓄額があるのが理想ですが、40歳代・50歳代は子どもの教育費や住宅ローンの返済などにお金のかかる時期なので、高額な貯蓄は難しいかもしれません。 子どもが独立したり住宅ローンが完済したりした際には、もっと高額な貯蓄ができる可能性があります。 金融資産保有額ごとの世帯割合を以下にまとめました。 金融資産保有額:割合 ・金融資産なし:27.4% ・100万円未満:9.1% ・100~200万円未満:6.4% ・200~300万円未満:3.8% ・300~400万円未満:3.9% ・400~500万円未満:3.8% ・500~700万円未満:5.6% ・700~1000万円未満:5.5% ・1000~1500万円未満:8.9% ・1500~2000万円未満:4.2% ・2000~3000万円未満:5.4% ・3000万円以上:11.2% 最も多いのは「金融資産なし」で、27.4%を占めており、次いで多いのが「3000万円以上」の11.2%です。貯蓄が全くない世帯と十分な資金が準備できている世帯の差が大きくなっていることがわかります。 ●【独身】単身世帯の平均額は1391万円、中央値は80万円 50歳代独身の金融資産の平均保有額は1391万円、中央値は80万円です。平均値と中央値に1300万円ほどの差がありますが、中央値の80万円が実感としての平均額に近いでしょう。 二人以上世帯と比較すると、平均保有額は独身の方が244万円高額になっていますが、中央値は二人以上世帯の方が220万円高額になっています。全体的に、二人以上世帯の方が貯蓄が進んでいるといえます。 50歳代独身の金融資産保有額ごとの割合は以下のとおりです。 金融資産保有額:割合 ・金融資産なし:38.3% ・100万円未満:11.2% ・100~200万円未満:5.2% ・200~300万円未満:2.7% ・300~400万円未満:3.6% ・400~500万円未満:3.8% ・500~700万円未満:4.6% ・700~1000万円未満:5.5% ・1000~1500万円未満:4.9% ・1500~2000万円未満:4.1% ・2000~3000万円未満:4.4% ・3000万円以上:9.3% 「金融資産なし」の世帯が38.3%と最も大きな割合を占めています。次いで多いのが「100万円未満」で11.2%となっており、併せると約半数が100万円未満に収まっている状況です。 老後の生活資金や急に高額な出費が必要になったときなどのことを考えると、貯蓄でカバーしきれない可能性があります。