「君たちは僕をベンチにしたいのか?」不調のトンプソンが記者の質問に苛立ち「周りが何と言っても気にしない」<DUNKSHOOT>
一昨季の王者ゴールデンステイト・ウォリアーズは、今季開幕から17試合を終えて8勝9敗(勝率47.1%)でウエスタン・カンファレンス10位と、辛うじてプレーイン・トーナメント進出圏内にいる。 【動画】勝負強さも備えたシューター、トンプソンのクラッチプレー集はこちら! チームはここ5試合、攻守のキープレーヤーであるドレイモンド・グリーンが出場停止により不在で2勝3敗と負け越し。今季はオフェンシブ・レーティングが113.0(リーグ14位)、ディフェンシブ・レーティングが112.9(同16位)、ネット・レーティングは+0.1(同19位)と、なかなか波に乗り切れていない。 そうしたなか、11月27日(日本時間28日)にクレイ・トンプソンが会見に応じた。注目されたのは、不調の選手を先発で起用し続けるスティーブ・カーHC(ヘッドコーチ)の辛抱強さをどう評価しているかという質問に対する返答だった。 今季のウォリアーズはステフィン・カリーが平均29.7点、4.6リバウンド、3.9アシストでオフェンス面を引っ張っている一方で、相棒のトンプソンは15.0点、3.3リバウンド、2.3アシストにフィールドゴール成功率40.2%、3ポイント成功率36.7%(平均2.8本成功)と本調子とは言い難い状態だ。 平均得点はルーキーシーズン以降では最も低く、フィールドゴール&3ポイント成功率はいずれもキャリアワースト、16試合で20得点以上はわずか2度と、スランプから抜け出せていない。 また、アンドリュー・ウィギンズも平均11.8点、1.1アシスト、0.4スティール、3ポイント成功率25.5%はいずれもキャリア最低の数字と苦しんでいる。 そこでトンプソンは、記者からの質問にフラストレーションを隠さずにこう言い放った。 「君たちは僕をベンチにしたいのか? (ウィギンズも)ベンチ入りさせたいのか? 僕たちをベンチに置きたいのかい? まぁいいさ、誰だって提案はできる。それは構わない。でも『スティーブ、ありがとう』ってなるのかは、わからないね。我慢して本来の自分を見つけ出すことだってある。僕たちにはそのうち復調する歴史があるんだと思う」 カーHCは今季すでに7種類の先発ラインナップを送り込んでおり、ガードのクリス・ポールやフォワードのジョナサン・クミンガ、ウイングのモーゼス・ムーディーがスタートした試合もあった。 ウィギンズはキャリアを通じて全試合でスタメン、トンプソンは2年目から先発に定着し、チーム内で重要な役割を担ってきた。だが今後も両選手の不振が続いた場合は、ベンチスタートになる可能性も決してゼロではないだろう。 もっとも、契約最終年という重要なシーズンを過ごす33歳のベテランはプライドが傷ついたのか、このように強調していた。 「誰がどう言おうと関係ないね。彼らが僕たちと同じ仕事をするわけじゃない。彼らにはできないんだ。だからこうやって話すんだ。僕の人生のこの時点において、周りが何と言っても気にしない。次の質問だ」 かつてトンプソンは1試合60得点も奪ったほどの爆発力を誇り、一度リズムに乗れば、軽々と20得点以上を稼ぐことができる。リーグ有数のピュアシューターの一刻も早い復調に期待したいところだ。 文●秋山裕之(フリーライター)