任天堂とコロプラの係争は、巨額の和解金で決着

このたび起きたポケットペアに対しての訴訟は、『パルワールド』の特許権侵害について。(C) Pocketpair, Inc.

　任天堂は、特許権侵害に関する訴訟を起こしたこともあります。タッチパネル上でジョイスティック操作を行う際に使用される特許技術」を含めた5件の侵害があるとして、コロプラに約44億円の賠償と『白猫プロジェクト』の配信差し止めを請求しました。 　特許権侵害について、任天堂は2016年9月時点で指摘しており、コロプラとの間で話し合いが行われたものの、その交渉は決裂して訴訟に至りました。 　請求がゲームの差し止めにも及んでいたため、『白猫プロジェクト』をプレイしているユーザーから反発の声も上がるなど、訴訟の当事者以外にとっても他人事ではなく、多くの人びとが注目する裁判となります。 　2018年1月に始まったこの訴訟は2021年に入っても決着せず、「訴訟の提起後の時間経過」を理由に、任天堂からの請求金額が96億9900万円に膨れ上がる一幕もありましたが、同年8月4日に和解が成立しました。 　この和解についてコロプラは、「早期解決を図ることが最善である」との判断から合意し、特許利用のライセンス使用料を含めた和解金33億円を支払っています。 ＊ ＊ ＊ 　今回取り上げたものはいずれも、単に被害額を請求しただけでなく、ゲーム業界に影響を及ぼす恐れがあるものでした。「マジコン」が放置されていたら、十分な利益が見込めずゲーム開発が勢いを失い、業界全体が衰退したことでしょう。 　また、ゲームやキャラクターのイメージを無断で借用する商売が増えたり、特許権侵害が横行するのも、決して望ましい事態ではありません。こうした訴訟は、原告・被告側の利益の問題だけでなく、未来のゲーム作りにも関わる重要な問題です。 　今回持ち上がったポケットペアに対する訴訟が、公にどのような決着に落ち着くのか。その結末も含め、今後も関心が集まることでしょう。