「大谷翔平VSジャッジ」…ライバル直接対決から見えた”課題”。2人のデータを徹底比較!
“大谷対ジャッジ“スーパースター対決の行方は…
注目を集めたこの3連戦はドジャースが2勝1敗と勝ち越して終えた。ドジャースでは、初戦に先発し7回を2安打無失点に抑えた山本由伸投手の好投、2戦目のグランドスラムを含む3本塁打を打ち9打点を挙げたテオスカー・ヘルナンデス選手の活躍が光った。 一方、ヤンキースはフアン・ソト選手を故障で欠いたのが響き、打線に精彩を欠いた。その中で孤軍奮闘していたのがジャッジ選手だった。以降は、大谷選手とジャッジ選手に焦点を当てたい。 3戦目の8回表にこの2人の「直接対決」があった。ドジャースのウィル・スミス選手が1アウト3塁の場面でライトフライを打ち上げた後のジャッジ選手の肩と大谷選手の足の対決は、大谷選手の足が上回った。 2人のこの3連戦の成績は以下のようになった。 【大谷】 13打数2安打0本塁打 1打点 打率.154 OPS.445 【ジャッジ】 11打数7安打3本塁打 5打点 打率.636 OPS2.351 大谷選手にとっては、チームは勝って個人は負けたという形になった。本人にとっては、まずチームが勝ち越せてよかったという気持ちが先立つだろう一方で、日本人の大谷選手のファンにとっては、ちょっと複雑な結果に受け取った人が多かったかもしれない。
今後の課題は“鬼門“ヤンキー・スタジアムの陥落?
ヤンキー・スタジアムでの大谷選手の通算成績は打者、投手別に以下のようになり、今年も相性の悪さを変えられなかった。 打者:59打数8安打4本塁打8打点 打率.136 OPS.612 投手:2先発 0勝1敗 投球回数3回2/3 防御率27.00 ただし、この数字が課題として残ったこと、今回の対戦でジャッジ選手という壁や目標ができたことは、大谷選手本人のキャリアや今後の成長につながるだろう。 実際、米メディア『ESPN』のインタビューで大谷選手は、どんな状況でも変わらないジャッジ選手の打撃のスタンスを評価していた。ヤンキース対ドジャース戦はドジャー・スタジアムで来年に、ヤンキー・スタジアムで再来年に開催の見込みだ。 昨季手術した右ひじ靭帯の回復が順調なら、投手としても復帰しているこの時、大谷選手が投打でどうリベンジするのか、投手としてのジャッジ選手との直接対決があるのか。先のことだが楽しみになってくる。 この対戦で改めて感じたのは、ジャッジ選手と並ぶMLBの「顔」「看板」としての大谷選手の存在感が高まり、両選手のライバル性が見えてきたことだ。この両選手が異なるリーグの名門球団に所属し、対戦は年3試合でお互いのホームでは2年に1度ということも、希少性を高めライバル性を盛り上げるのに一役買うだろう。 「大谷とジャッジ」この両選手は、ドジャースとヤンキースをリーダーとして引っ張っていく存在だ。2人がチームリーダーとしてMLBだけでなく世界のスポーツ界を盛り上げていき、スポーツを行う少年たちの目標になり、次世代の大谷やジャッジが育っていく…こうした未来すら感じさせる3連戦でもあった。 まずは、ワールドシリーズでの両チーム、2人の対戦が楽しみになる。この時までに、両チームとも、故障者の復帰や新戦力の台頭、トレードデッドラインでの補強があるだろう。対戦が実現すれば、この6月の対戦とはまた異なった様相を見せるはずだ。
ベースボールチャンネル編集部