ファイティングポーズするネリ（撮影・鈴木正人）

　プロボクシング元世界2階級制覇王者で現WBC世界スーパーバンタム級1位のルイス・ネリ（29＝メキシコ）が21日、羽田着の航空便で来日した。5月6日、東京ドームで4団体統一同級王者井上尚弥（31＝大橋）への挑戦を控え、夫人、娘3人ら家族や陣営とともに日本の地に降り立った。ネリは「今のコンディションはパワフルだ。5カ月間、練習してきた。東京ドームでのこの試合が成功するように祈っている」と自信の表情。試合2週間前となる日本到着となったが、ネリは「時差に慣れるためだ」と笑顔を浮かべた。 　3月6日に対面した井上について、ネリは「彼は良いボクサーでスピードがあり、パワフルで才能がある。しかし私は井上選手よりも勝っている」と自信たっぷり。創刊100年以上の歴史と権威があるとされる米老舗専門誌ザ・リングのパウンド・フォー・パウンド（階級を超越したボクサー）ランキングではテレンス・クロフォード（米国）に続き、2位に入っていることに触れ「クロフォード、ジャーボンテイ・デービス（米国）ら他に良い選手がいる。彼がパウンド・フォー・パウンドの1番だとは思わない。ただマスコミが井上を1番と言うならそれはうれしい。私が1番の選手と戦うことができるから」と言葉に力を込めた。 　3月6日、都内で臨んだ記者会見では、過去2度対戦した際にドーピング違反や体重超過で迷惑をかけた元WBC世界バンタム級王者山中慎介氏や日本のボクシングファンに謝罪する「優等生」ぶりが目立った。ネリは「前回は会見の目的だった。周りのみなさんがリスペクトする人だと教えてくれたので、あのような態度になった」と自らの態度について解説した。 　その後、米国でのトレーニング中に受けた米メディアの取材では「井上尚弥は過大評価されている」などと「悪童」と呼ばれていた時にような強気発言を展開していた。どちらが本心なのか？　そう問われたネリは「本当のネリは井上をリスペクトしているが、恐れてはいない。彼をKOする」とキッパリと言い切っていた。