東京都の「婚活マッチングアプリ」に賛否の声。既存事業者は何を語ったか
厚生労働省が発表した2023年の人口動態統計によると、1人の女性が一生のうちに産む子どもの数の指標となる「合計特殊出生率」は、過去最低の1.20だった。 【全画像をみる】東京都の「婚活マッチングアプリ」に賛否の声。既存事業者は何を語ったか 都道府県別では東京都が最も低く、0.99と1を下回った。 こうした中、東京都が近く提供を始める独自の婚活マッチングアプリが注目を集めている。 利用には独身証明書や収入の証明のほか、面談まで義務付けることで安全性の高さを売りにする。「公営でやるなら信頼感もある」と肯定的な声がある一方で、「税金を使ってまでやることなのか」、少子化対策の一環であることに対して「経済的不安があるから子供を産もうと思わないのでは」などの声がSNSを中心に沸き起こっている。 マッチングアプリは民間事業者によるサービスが多数存在する中で、民業圧迫という意見もある。実際に、事業者や都はこうした意見についてどうとらえているのか。
都「結婚したい人の希望をかなえる支援」
「我々が結婚支援事業をしている元々の動機は、結婚に関心のある方のうち7割が特に何も行動をされていないという調査です。そういった、結婚に関心があるのに婚活を特に始めてない方の背中を押すとか、一歩踏み出していただくような施策を展開し、社会全体の結婚への機運を盛り上げていくことが目的」 東京都生活文化スポーツ局都民生活部の担当者は、そもそも東京都がマッチングアプリ事業などの婚活支援をする理由についてこう話す。 東京都が2021年、独身の都民を対象に実施した調査によると、「一年以内に結婚したい」あるいは「理想的な相手が見つかれば結婚してもよい」と回答した人に婚活について聞いたところ、「特に婚活はしていない」人が69.3%に上った。 この調査結果を課題視し、都はさまざまな婚活支援の取り組みをしているということになる。 「少子化対策ならもっと他にやるべきことがあるのでは」といった批判についてはどう受け止めているのか。 「少子化対策の一環ではあるかもしれませんが、結婚と子供を産むことは必ずしもイコールではない。結婚を望む方が、希望を叶えられるような社会を作っていくという事が目標」(東京都生活文化スポーツ局都民生活部) と、あくまで少子化対策だけを目的としたものではないことを強調した。