「平成筑豊鉄道」法定協議会に福岡県も参加へ…沿線の田川市長「課題解決に県のリーダーシップ不可欠」
福岡県内の直方市と行橋市を結ぶ第3セクター・平成筑豊鉄道(福智町)のあり方を検討する「法定協議会」が31日、沿線9市町村に県も加わる形で設置される見通しとなった。今後、鉄道の存廃を巡る議論が始まるが、服部知事に要請書を手渡した田川市の村上卓哉市長は「廃止ありき、存続ありきではなく、具体的な事実とデータを基に全ての可能性を考えていく」と強調した。 【写真】平成筑豊鉄道の車両基地や本社がある金田駅
県庁にはこの日、沿線9市町村の首長が顔をそろえた。代表してあいさつに立った村上市長は「異なる事情を抱える市町村がこの大きな課題の解決にたどり着くには、県の強力なリーダーシップが不可欠だ」と述べ、服部知事に協力を求めた。
経営難が続く同鉄道は、沿線市町村などから年約3億円の助成を受けているが、試算では、将来的に年10億円程度の赤字発生が見込まれている。法定協では、現状維持のほか、▽鉄道の運行と線路などの設備の保有を切り分ける「上下分離方式」での鉄道維持▽バス高速輸送システム「BRT」▽一般道を使った路線バスへの転換――などが議論される見通しだ。
鉄道の存廃については沿線市町村でも様々な意見がある。9月の田川市議会の委員会では「通勤通学で使う」などと鉄道維持を求める声が上がった。一方、人口減の中で、財政負担が膨らむことも懸念されている。
要請書を受け取った服部知事は「地域住民の持続可能な移動手段を確保するため、丁寧な合意形成を図りたい」と述べた。