暗号資産ファンド、3月以来最大の流出に──ビットコインETFから多額の資金流出
暗号資産(仮想通貨)投資商品は先週、3月以来最大の純流出に見舞われ、7億2570万ドル(約1040億円、1ドル143円換算)を失った。投資家が世界最大の暗号資産であるビットコイン(BTC)の現物ETF(上場投資信託)から8日連続で資金を引き揚げたため、資金の大部分はビットコイン投資商品から流出した。 暗号資産運用会社のコインシェアーズ(CoinShares)によると、イーサリアム(ETH)投資商品が9800万ドル(約140億円)の損失を出したのに対し、ビットコイン投資商品は6億4300万ドル(約920億円)の資金流出を記録。資金流出はほぼ米国に集中し、7億2100万ドル(1030億円)が市場から流出したと同社は述べた。 ビットコインは過去1週間で8%以上下落し、2日には5万9000ドル付近で取引されていたが、6日には5万4000ドルで取引を終えた。この期間は米国の経済データが多く発表され、広く注目されていた非農業部門雇用者数報告を含むすべてのデータが弱含みとなった。この結果は、米連邦準備制度理事会(FRB)が今月中に50ベーシスポイントの利下げを実施する可能性を高めたが、ビットコイン強気派を刺激することはほとんどなかった。 米国のビットコイン現物ETFは連日純流出を記録し、8日連続の資金流出となった。ブルームバーグ(Bloomberg)によると、このような事態が起こるのは1月の取引開始以来初めてだという。 今週、トレーダーは米国政府が11日に発表する8月の消費者物価指数(CPI)と12日に発表する生産者物価指数(PPI)に注目するだろう。10日には、11月の米大統領選に向けた大統領候補者同士の最初の討論会で、ドナルド・トランプ(Donald Trump)氏がカマラ・ハリス(Kamala Harris)氏と対決する。 |翻訳・編集:廣瀬優香|画像:CoinShares|原文:Crypto Fund Outflows Were Most Since March Last Week as Bitcoin ETFs Bled
CoinDesk Japan 編集部