コナン役の加藤清史郎「全公演裸足で駆け回る」舞台『未来少年コナン』
ラナ役を演じる影山さんは
ラナ役を演じる影山は「長年愛されている『未来少年コナン』という作品に出会えたこと、そして素敵なカンパニーの皆様にお会いできて、毎日一緒に過ごさせていただき同じ舞台に立たせてもらえることを本当に光栄に思っております」と感謝の言葉を一言。ラナについては「強くて、儚くて、芯のある女の子。このキャラクターには何度も助けられました」と回想、その上で「挫折と発見の日々の中、スタッフやキャストの皆さまにたくさん助けていただいて今日までやってきました。客席の皆さまが『明日からもうちょっと頑張ってみようかな』って、生きる希望を持って帰れるような、そんなラナを演じていきたいと思っています」と自身の想いを口にしてくれた。 インバル・ピント演出の『羅生門』や『ねじまき鳥クロニクル』などに出演したことがあるジムシー役の成河は、「近年は比較的ダークでハードは演目が多かったんですが、今回は初心にかえってシンプルで奥行きのある、可愛らしくてどこか大人のエッセンスをもったようなインバルにものすごくピッタリな感覚がある作品になっています」と本作について解説。「幅広い年齢層とか趣味嗜好の方たちを受け入れる器のある作品ですので、息をのむほど美しいインバルの描く絵をぜひ楽しんでいただけたら」と魅力的なこの舞台をプッシュしてくれた。 また、同じくインバル演出の舞台に立ったことがあるモンスリー役の門脇は、ダンサーの肉体を使って難解なストーリーをシンプルに解きほぐすインバルの舞台の特徴に触れつつ、「今回はお話しがシンプルなので、具体的なものを抽象的に、見ている皆さんの感性が引き出されるような作りになっています」と説明。「前回のインバルの舞台では超絶キュートなシーンがあったんですが、私が出てるシーンだったので見れなかったんです。でも今回はそういう可愛いシーンを(舞台袖で)いっぱい見れるのは嬉しい(笑)」と笑顔を見せつつ、「私も正面で見たいと思うような、この美しい舞台をぜひ見てもらいたいです」と呼びかけていた。 白と青の制服に制帽とまさに船長といったコーディネートを見せてくれたダイス役の宮尾は、「他の舞台とは圧倒的に違うなと思ったのは、この見たこともないようなヒゲですね」と左右に伸びた見事なヒゲをアピール。「衣装デザイン、舞台セットのデザイン、振り付け、演出などインバル・ピントという一人の人間が作ることで世界観がすごくまとまったものになっています。そこでいろんなキャリアをもった俳優の方々が生き生きとキャラクターを演じていますので、きっとお客さまがまだ見たことのない、想像のできなかった舞台になると思っています」と述べて期待感を高めてくれた。 他にもレプカ役の今井は「どんな演劇の現場でも必ずいくつかのアイデアが持ち寄られますが、インバルの現場ほどボツになる現場はないんじゃないかと思うんです。採用アイデアは一つだけなんですが、その中にたくさんの採用されなかったアイデアが息づき練り込まれている舞台になっていると思います」と、おじい・ラオ博士の二役を演じた椎名桔平も「宮崎駿さんが四十数年前にアニメ化した作品がベースなんですが、今の時代を予見していたかのような紛争や自然災害などが物語に込められています。そんな難しいテーマ性をインバルさんが魅惑的に融合させて舞台化してくれていますので、ぜひそういうところにも注目していただきたいたいと思います」と、この舞台ならではのポイントについて語ってくれた。 ゲネプロではキャスト陣それぞれが『未来少年コナン』の世界で生きるキャラクターたちを熱演。目を奪われる演出や、アニメで見た名シーンの再現など、全編にわたって見どころ満載。物語への没入感も素晴らしく、初日に向けての準備は万端といった雰囲気に仕上がっているようだった。 この舞台は東京公演が5月28日(火)から6月16日(日)まで、大阪公演も6月28日(金)から30日(日)まで梅田芸術劇場シアター・ドラマシティで予定されている。ぜひともアニメとはまた違う舞台『未来少年コナン』を劇場で体感してもらいたい!
ライター 川畑剛