知床観光船沈没事故 桂田社長を逮捕 業務上過失致死などの疑い
おととし知床半島沖で起きた観光船沈没事故で、第1管区海上保安本部は18日、運航会社の桂田精一社長を業務上過失致死などの疑いで逮捕しました。 業務上過失致死と業務上過失往来危険の疑いで逮捕されたのは、「知床遊覧船」社長の桂田精一容疑者です。第1管区海上保安本部によると、桂田容疑者は運航管理者としての安全確保の義務を怠り、船を沈没させたとしています。 おととし4月23日、知床遊覧船の運航する観光船「カズワン」が沈没した事故では、乗員・乗客20人が死亡し、6人が行方不明となっています。国の運輸安全委員会は去年、最終報告書で、事故の原因を「船の前方にあるハッチのふたが十分に固定されておらず、ふたが開いて海水が流入したこと」としました。 第1管区海上保安本部は会見を開き、逮捕に至った理由や沈没の経緯を説明しました。事故当時、波浪の影響で船が揺れ、海水がハッチのふたから入り前方の倉庫まで浸水。その後、機関室まで浸水し、船のデッキから下の部分が全て海水で満たされ沈没したと推定されるということです。 第1管区海上保安本部は「沈没に至るメカニズムを解明するため、さまざまな鑑定や気象データの分析など証拠を丹念に積み重ねる難しい捜査を2年以上にわたり続けていた。慎重に捜査を続けた結果、容疑が固まったことから逮捕に至った。引き続き事件の全容解明に向け全力で捜査を続ける」と話していました。 1管本部は事故発生から2年半で逮捕に至ったことについて「証拠隠滅の可能性を排除し切れなかった」と説明しました。また、桂田容疑者の認否は明らかにしていません。