西武・高木渉 二軍で打撃タイトルを獲る!
強打を誇る一軍打撃陣に割って入らんとする左のスラッガーだ。支配下登録された昨季は山野辺翔と並ぶチームトップの12本塁打、今季もすでに8月8日現在、7本塁打を放っている。自慢の打撃では誰にも負けたくない、と燃やす闘志は人一倍熱い。 取材・構成=小林光男 写真=小山真司 新装開店した二軍本拠地・CAR3219フィールド。高木渉は真新しい球場で躍動している。2018年、真颯館高から育成ドラフト1位で入団。同年、二軍で打率.278、6本塁打、24打点をマークし、オフに支配下へ昇格した。翌年も二軍でチーム1位タイの12本塁打をマーク。ドラフト同期野手では一番乗りとなる一軍デビューも果たした。そして今季、嶋重宣二軍打撃コーチが「自覚が見えるし、やる気、意識も感じる。すべてにおいて大人になったなと思う」と高評価するように、さらに大きく羽ばたこうとしている。 ──今季、ここまでの感想は? 高木 新型コロナウイルス感染拡大のため、開幕が大幅に遅れて調整するのは難しかったですけど、自粛中もモチベーションを一定に保つことができ、シーズンに入ってもそんなに苦労することはありませんでした。 ──昨季は気持ちの浮き沈みがあったそうですが。 高木 「打てる日」「打てない日」の差が激しかったんです。打てなかったら「もうダメだ」とすぐ落ち込んでいましたね。次の試合に影響も出てしまっていたので、それを変えたい、と。今年は打てない時期もありますが、そのときに試合の映像を見ながら「次はここを変えてみよう」と自分に対しての研究心というか、分析する時間が増えてきたと思います。 ──「良いときと悪いときの差をなくしたい」とすり足打法から右足を上げて打ち始めていますね。 高木 7月に入ったくらいから変えました。投手に対しての入り方やボールをコンタクトする仕方を主に考えてです。変化球に対して、もっと粘りを出したいとの思いもあって、そのような形にしました。感覚をつかむのは難しいんですけど、特に悪いといった印象はないですし、むしろ自分にはこちらのほうが合っているのではと最近思い始めています。 ──2ストライク時の成績を見ると、2018年の.140、19年の.146から今年は.222と打率がアップしています。 高木 そうですね。あっさり三振することが今までと比べて少しは減ったかな、という気がしますね。 ──昨年はチーム1位タイの12本塁打、今年はタイトル争いに参戦する7本塁打を放っています。 高木 特に強い意識はありません。毎打席、ホームランを狙って入ろうとは思っていないですよ。普通にいい形で打てて、その結果がホームランだ、と。 ──それでは理想の選手像は? 高木 いま参考にしているのが・・・
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週刊ベースボール