「戦いに備え戦い避ける」 就任1カ月、台湾総統が抑止力強化に意欲
台湾の頼清徳(ライチントー)総統は19日、就任から1カ月を迎えるのを前に記者会見に臨み、「戦いに備えることで戦いを避けなくてはならない」と語った。中台統一を目指して圧力を強める中国に対し、台湾の抑止力を強化していく方針を示した。 【画像】就任式に臨む(左から)、蔡英文前総統、頼清徳新総統、蕭美琴副総統=2024年5月20日午前9時20分、台北、藤原伸雄撮影 会見で頼氏は「われわれは引きつづき台湾の防衛能力を高めていく」と語り、米国などからの武器購入のほか、防衛産業の強化を通じた抑止力の強化に言及。「実力によって達成してこそ真の平和だ」とも述べた。 頼氏は「台湾の併合は中国の国策だ」と強い警戒感を示した上で、中国が非軍事的手段も用いて台湾を服従させようとしていると指摘。その上で「台湾は屈しない」とも語った。 5月20日の就任式演説で語った「中華民国(台湾)と中華人民共和国は互いに隷属しない」という発言を問われると、「社会のコンセンサスだ」との認識を示した。就任式の発言は中国側が訴える「一つの中国」原則を明確に拒否するもので、中国は強く反発。「懲罰」と称して台湾を取り囲む形で軍事演習も実施した。(台北=高田正幸)
朝日新聞社