イスラム国人質事件 常岡浩介氏「日本政府は私たちの直接対話のチャンネルを活用しようとしない」
ジャーナリスト・常岡浩介氏が22日、東京の外国特派員協会で会見を行い、「イスラム国」」による日本人人質事件について語った。 【動画】ジャーナリスト・常岡浩介氏の緊急会見を生中継
常岡氏は、人質にされている湯川遥菜さんについて、「イスラム国」は10月の段階では、「身代金を取る材料にしない、見せしめの処刑はしない方針で、イスラム法に則った裁判をすると強調していた」と説明。それだけに今回の『イスラム国』の脅迫ビデオを見て「驚愕した」という。「3か月前に聞いた話では湯川さんに緊急的な危険がある状態ではなかった。状況が完全にひっくり返っていることに驚いた」と語る。 常岡氏は、自身や中田考氏が『イスラム国』に渡り、湯川さんを無罪にして救出することが出来た可能性があるのに、昨年10月6日の警視庁公安外事3課の捜査・押収のせいでイスラム国に渡航できなくなったと主張する。そして「警察は湯川さんを助け出せる可能性があることを知っていたはず。湯川さんが助かっていれば、後藤さんも無理に現地に入ることはなかった」と捜査を批判した。 2人の人質について、「状況は絶望的だと思う。彼らは殺害予告した人間を確実に殺害してきた。2億ドルを払うのは現実的ではない」と述べ、「方法があるとしたら、直接対話するしかない。そのチャンネルを私と中田考氏が持っているのに日本政府が活用しようとしない」と政府の対応に不満を述べた。常岡氏は「2人の救出に協力する用意がある」としているが、外務省などからは「接触はない状態」(常岡氏)だという。