阪神がオ・スンファンとの交渉打ち切りを見据えバーネットを調査
阪神は不法賭博疑惑や暴力団との交際疑惑などが次々と報道されているオ・スンファン(34)の事態の推移を見守りながら、残留交渉を続けているが、今週までに合意に至らず交渉を打ち切った場合に備え、代役のストッパー探しを検討し始めた。 そこで“ポスト、オ・スンファン”として急浮上してきたのが、ポスティング申請をしながらも入札球団が現れずポスティング移籍を断念したヤクルトのトニー・バーネット(32)だ。ヤクルトは8日、今季限りで契約の切れたバーネットを保留名簿から外し自由契約手続きを取った。バーネットはFA選手となり、日米球団との交渉が可能になった。メジャー移籍希望が強いとされているが、阪神は代理人を通じて獲得の可能性についての調査をスタートさせた。 バーネットは、来日6年目の今季にストッパーとして大ブレイク。59試合に登板して3勝1敗、41セーブ、防御率。1.29の成績を残して、セーブ王をオ・スンファンと分けた。今季は、対阪神にも8試合に登板したが、失点はゼロで、防御率0.00。故・中村勝広GMが、「オ・スンファンの球威の低下が不安。現状の評価はバーネットが上」というレポートを提出していたほど、こてんぱんにやられたバーネットを高く評価。夏に代理人を通じて意向を確認したが、その時点では「メジャーが第一希望。ポスティングを利用してのメジャー再挑戦を狙う」との返事が代理人から返ってきたため獲得を断念したという経緯がある。 だが、ポスティングに失敗。バーネットサイドは、引き続きメジャー側との交渉を続けていく意向で、譲渡金が不必要となるここから交渉が本格化していく。阪神サイドは移籍希望先は、メジャー復帰一本だけなのか、それとも条件次第では日本球団も可能なのかを代理人を通じて調査、確認した上で、もし可能性であるのならば、今季1億8000万円でプレーしていたバーネット対して、3億円を最低ラインに具体的な条件をつめていく考えだという。 米メディアの報道によると、バーネットには、メジャーの5球団ほどが興味を持っているらしいが、納得のできるような条件でなくとも、メジャーを最優先させるのか、それとも条件次第では日本残留もあるのか。日本残留の可能性がある場合は、ヤクルトも再度、残留交渉に乗り出す方向で、阪神との争奪戦に発展しそうだ。いずれにしろ金本新監督を迎えた阪神の今オフの補強の最大のテーマは、来季のストッパー候補を確保しておくことになる。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)