「無料ランチ」発起人:子どもたちへの支援を拡大
【東方新報】「この活動はそれほど難しいことではないです。ただ、子どもたちに飢えがない世界を目指し、そのためのプラットフォームを提供しただけで、社会のさまざまな分野が協力して、43万人以上の農村の子どもたちのランチ問題を解決することができました」 「無料ランチ」プロジェクトについて語る発起人の鄧飛(Deng Fei)氏はそう話した。 「2024年第10回中華慈孝文化祭」が浙江省(Zhejiang)杭州市(Hangzhou)で8月20日に開催され、「無料ランチ」プロジェクトチームが2024年度の「中華慈孝人物/団体」として表彰された。鄧飛氏は中国新聞社(CNS)のインタビューで「どのようにして子どもたちを支援するか、どれだけ支援するかは決して過剰にはなりません。国内だけでなく、『無料ランチ』のモデルは現在アフリカでも導入され、将来的には世界のさらに多くの場所で普及するでしょう」と述べた。 「無料ランチ」プロジェクトは2011年に設立された。当時ジャーナリストだった鄧飛氏は、貴州省(Guizhou)の山間部で多くの農村の子どもたちが、遠くの学校に通うために昼食を食べられず、空腹に耐えていることを知った。その年、鄧飛氏は500人のジャーナリスト、国内の主流メディア、そして中国社会福祉基金会と協力し、無料ランチ基金を立ち上げた。1日3元(約61円)の寄付で、農村の子どもたちに無料ランチを提供することを提案した。2022年の春学期からは、子どもたちに十分な栄養を与えるため、6元の食事基準を全面的に推進している。 13年間、「無料ランチ」プロジェクトチームはネットでの寄付公示、微博(ウェイボー、Weibo)での巡回調査、現地での査察、突撃監査、村と学校の連携など、さまざまな手法を駆使し、基金の適正運用を確保してきた。 「無料ランチ」プロジェクトの公式サイトによると、今年3月末までに、総募金額は11億元(約224億2713万円)を超え、全国26省(区、市)の1764校で実施され、43万人以上の農村の子どもたちが温かい無料ランチを食べられるようになった。現在でも、多くの若者が、かつて無料ランチを受けたことをきっかけにプロジェクトチームに参加したり、故郷に戻って地域の発展に貢献している。 「無料ランチ」プロジェクトの意義について、鄧飛氏は「単なる数字以上の成果がありました。社会のさまざまな分野が問題に直面したとき、協力して行動を起こし、変革を推進できることを示しました。これは、他の社会問題を解決する際にも非常に有意義な参考になるでしょう」と述べた。 公益活動に携わる中で、鄧飛氏は国家が公益慈善活動を重視し、支援を強化していることを強く感じている。例えば、2011年には国務院が農村義務教育学生栄養改善計画を開始し、2022年には教育部などの7つの部門が「農村義務教育学生栄養改善計画実施方法」を発表し、計画の改善を図った。 このような背景の中、多くの人が「無料ランチ」プロジェクトの今後の方向性に注目している。鄧飛氏は「経済社会は常に進化しています。私たちは引き続き中国の農村の子どもたちの栄養改善に専念し、国家の関連活動と並行して補完的な役割を果たしていきます。例えば、学前クラスの子どもたちへのランチ費用補助などです」と述べた。 注目すべきは、「無料ランチ」プロジェクトが国内で進展する一方で、鄧飛氏が発起した「国際無料ランチ」プロジェクトもすでに7年間にわたり実施されていることだ。このプロジェクトは海外の中国企業と協力し、累計で1200万元(約2億4466万円)以上を投入して、ケニア、タンザニアなど8か国の35校で「無料ランチ」を提供し、現地の子どもたちの健康な成長を支援している。 鄧飛氏は「私たちは一歩一歩進んでいきます。今後、『一帯一路(Belt and Road)』を共に築く国々や地域で、さらに多くの取り組みを行っていくつもりです。私たちの初心は同じです。どこにいる子どもであっても、困難を抱えているならば、私たちはできる限りのことを全力で行います」と述べた。(c)東方新報/AFPBB News ※「東方新報」は、1995年に日本で創刊された中国語の新聞です。