U12女子の強豪、壱岐リトルソニックスの中嶋基喜に聞くコーチングフィロソフィー(後編)「ファンになってもらえるチーム作りを」
世界一を目指し『1年間無敗』がモチベーションに
――前回大会は3戦全勝で終えました。 昨年のチームは1年間無敗で終えました。今年もまだ負けていませんし、公式には3年ぐらいです。だから全国大会3連勝より、1年間負けないことがモチベーションになっています。世界一を掲げて取り組む中で、目的に対してどれだけ徹底できるかが、他チームとの違いだと感じています。徹底することを習慣化し、それが結果を生むという方程式みたいなことをチームで共有しています。一方で、全国ミニでは一緒に出場する強豪チームを注意深く見て学ばせてもらっています。控え室にいる空気、コートに入る姿勢、練習のアップが違います。普段の体育館での雰囲気が伝わってきますね。 ――今回は参加費用を募るクラウドファンディングに乗り出しました。 クラウンドファンディングの存在は今まで知りませんでした。子供たちのためになるなら、と始めました。いろんなことにチャレンジする中で、目指すのは強いチームより応援されるチームです。どれぐらいの方が壱岐リトルソニックスを見てくれて、応援してくれるのか知りたいので、やってみようかと。いろんな温かいコメントをいただきました。 大会では3戦全勝が最低限の目標ですが、一番大事なのは日本のバスケットを盛り上げ、日本を明るくすることです。頑張っている子供を見ると、大人も元気や勇気をもらえます。代々木第2体育館という素敵な舞台で子供たちが一つのボールを一生懸命追いかけて、シュートを入れたり、守ったりという姿を全国の皆さんにどれだけ見せられるですね。 チームとしてこだわっているのが連動性です。コート上の5人、出場する10人でやります。ベンチ外の子たちも応援席で応援してくれる。ハリーバックしたり、ヘルプダウンをしたり、プレッシャーをかけたり。チームのために一つになって動き、頑張るチームは素敵だな、応援したいなと思ってもらえたらうれしいですね。 ――6年生と過ごせる時間もあとわずかとなりました。 1年365日のうち、364日は苦しいこともあれば、キツイ練習もあります。乗り越えて最後に代々木第二体育館で迎える365日目に、勝っても負けても本物の笑顔で終わろうねと伝えています。今もまだまだ成長段階で、大会に向けて、ファンダメンタルも厳しいことも取り組んでいます。6年生に限っては本当に残り少ないので、しっかりと子供たちと向き合いたいですね。
バスケット・カウント編集部