10月から無償化される初心者・未経験者クラスでサッカーを楽しむ子どもたち

　栃木市内外で小学生向けのサッカースクールを展開する「栃木サッカーアカデミー」は10月から、「無償化プロジェクト」として、小学2年生までの初心者・未経験者クラスの入会金、年会費、月謝を無料とする。物価高騰で習い事が難しくなる中、地元企業からの支援を集め、一人でも多くの子どもにサッカーを楽しむ環境を提供する。代表を務める元Jリーガー武井択也（たけいたくや）さん（38）は「裾野の部分を広げ、地元の企業と子どもをつなげ、栃木を盛り上げていきたい」と話している。 　同アカデミーは、共に市出身でガンバ大阪などでプレーした武井さんと元ベガルタ仙台の富田晋伍（とみたしんご）さん（38）が2018年10月に開校した。現在は小学生を中心とした約250人が年齢や経験、目的に応じてクラスごとに分かれ、県内各地のスクールに通っている。 　武井さんは自身の経験を踏まえて以前から「サッカーをする地元の子どもを企業が支え、大人になったら還元する流れをつくりたい」と考えていた。物価高騰が進む中、知人から「習い事をさせる余裕がない親も多い」と聞き、サッカーに触れる機会を確保しようと無償化の準備をしてきた。 　地元のスポンサー企業を回り、支援の拡大を依頼。まずは幼児～小学2年生の初心者・未経験者向けクラスを対象として、スポンサー企業17社の名前が入ったウエア（5830円）を購入してもらうことで、各3300円の入会金・年会費・月謝を無料とした。 　今後も段階的な無償化の拡大や、経済的負担の軽減を検討していく。武井さんは「サッカーを通じて技術だけでなく人間性を育み、人と人のつながりを大切にできる大人になってもらいたい。この機会にサッカーを始め、心から楽しんでほしい」と呼びかけている。