佐藤勝利「モンスター・コールズ」日本初演開幕、原作者のパトリック・ネス「鳥肌が立ちました」
佐藤勝利が主演を務める舞台「モンスター・コールズ」が本日2月10日に東京・PARCO劇場で開幕した。これに先駆け昨日9日、初日前会見が行われた。 【画像】舞台「モンスター・コールズ」佐藤勝利のビジュアル。 パトリック・ネス著「怪物はささやく」は、イギリスの文学賞であるカーネギー賞とケイト・グリーナウェイ賞を受賞し、映画化もされたダークファンタジー小説。舞台版は2018年にイギリスで初演され、ローレンス・オリヴィエ賞のBest Entertainment and Familyを受賞した。日本では2020年に佐藤主演で初演予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で断念され、このたび4年越しに実現した。本作には、イギリス初演を手がけた演出家サリー・クックソンをはじめとするイギリスのクリエイティブチームが参加。出演者には、孤独と絶望に苛まれる13歳の少年コナー役の佐藤、コナーの家に現れる謎めいたモンスター役の山内圭哉、そのほか瀬奈じゅん、葛山信吾、銀粉蝶らが名を連ねた。 初日前会見には原作のネス、演出のクックソン、キャストの佐藤と山内が出席。ネスは「日本語での上演にあたり、観るまでは中身がわからないまま終わってしまうのではないかと不安に感じていましたが、実際にサリーたちと日本のキャストが創り上げた作品を観て、全く違って言葉にできないほど感動し、圧倒されて鳥肌が立ちました」とコメント。 クックソンは「イギリスの稽古場はこじんまりとしているので、稽古初日からこの作品にかかわる全員がいたことに特に驚きました」と振り返り、「この作品を創る中で一緒に物語についてを考え、異なる文化を共有することを楽しませてもらいました。そういった異文化交流も今回の『モンスター・コールズ』に組み込まれていて、その一部になれたことをとても光栄に思います」と述べる。 佐藤は「イギリスのスタッフの皆さんは、個々のアーティスト性をすごく大事にして下さり、一緒に作品を創っていくのがすごく楽しかったです。改めて、舞台も芸術の1つなんだなと実感しました」と手応えを語り、「想像力をかきたてられる、とてもワクワクする美しい物語で、客席の皆さんと共に、新しい日本の『モンスター・コールズ』を作っていけたらと思っていますので、楽しみにしていただけたら嬉しいです」と呼びかけた。 山内は「イギリス版の映像でモンスター登場のシーンを見て、宙に浮いている時点でやばい!この先を知りたくない!といったん止めたくらい、最初は不安もありました。でもエアリアルの稽古もすごく丁寧にやってもらえて、根性論で、できるまでやる!というやり方ではなく、必ず少し日を空けて、脳を整理して、落ち着いたところでまたトライさせてもらえる。そんな稽古の仕方だったので、不安なく今日を迎えることができました」「イギリスで丁寧に創られたこの作品を、ちゃんと日本の皆様に届けたいです」と意気込みを語った。 上演時間は休憩含む約2時間35分。本作は3月3日までPARCO劇場で上演されたあと、8日から17日まで大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA WWホールで上演される。 ■ パトリック・ネス コメント 「モンスター・コールズ」は非常に珍しいタイプのお話で、小説をもとにさまざまな人とのコラボレーションで作られました。今は亡きシヴォーン・ダウドのアイデアを元に私が小説を書き、ジム・ケイがイラストを描き完成されたので、3名でこの小説を完成させたと思っています。そして、舞台化にあたりサリーのチームが加わり、さらに広がったコラボレーションで作品を作り上げてきました。 日本語での上演にあたり、観るまでは中身がわからないまま終わってしまうのではないかと不安に感じていましたが、実際にサリーたちと日本のキャストが創り上げた作品を観て、まったく違って言葉にできないほど感動し、圧倒されて鳥肌が立ちました。俳優の皆さんの演技と演出、音楽や照明によってストーリーに引き込まれました。皆さんには感謝の気持ちでいっぱいです。日本のお客様にもぜひ体感していただきたいです。 ■ サリー・クックソン コメント 日本での稽古をするにあたり、たくさんの違いがありましたが、イギリスの稽古場はこじんまりとしているので、稽古初日からこの作品にかかわる全員がいたことに特に驚きました。想像力や細部までのこだわりが日本の「モンスター・コールズ」に反映されていて、この作品を最高の状態にするために、1人ひとりがいることに気が付きました。この作品を創る中で一緒に物語についてを考え、異なる文化を共有することを楽しませてもらいました。そういった異文化交流も今回の『モンスター・コールズ』に組み込まれていて、その一部になれたことをとても光栄に思います。 私にとっては2歳の頃の娘はモンスターでしたが(笑)、モンスターは何を表しているのかについて、稽古中に皆さんと話をしました。このお話の中には山内さんが演じるモンスター以外にも色々なモンスターが出てきます。コナーのお母さんの病気などある種のモンスターです。観に来てくださるお客様にも、想像力を膨らませて楽しんでいただけたらと思います。日本のキャスト・スタッフと共に新たに創り上げたこの美しい作品を通して、私たちと繋がってください。 ■ 佐藤勝利 コメント 約4年前にお声がけいただいた作品でしたが、新型コロナウイルスの影響でイギリスのチームが来られなくなってしまい、いつできるのと、その日を待ち望んでいました。 そして、今年、遂に稽古に入ることが出来ました。僕たちとしても様々な文化の違い等も感じながら、その違いを楽しみ、チャレンジングなことをさせていただいていると感じる稽古の日々でした。 イギリスのスタッフの皆さんは、個々のアーティスト性をすごく大事にして下さり、一緒に作品を創っていくのがすごく楽しかったです。改めて、舞台も芸術の1つなんだなと実感しました。 僕自身も、この「モンスター・コールズ」というアートの一部になれるように一生懸命、コナーという役を生きられたらと思っています。 経験したことがない演劇体験ができる作品になっています。想像力をかきたてられる、とてもワクワクする美しい物語で、客席の皆さんと共に、新しい日本の「モンスター・コールズ」を作っていけたらと思っていますので、楽しみにしていただけたら嬉しいです。 ■ 山内圭哉 コメント キャストが出ずっぱりだったり、いつもとは違うアンテナを立てて演じないといけない非常に繊細なお芝居なので、初日を前に久しぶりにドキドキしています。イギリス版の映像でモンスター登場のシーンを見て、宙に浮いている時点でやばい!この先を知りたくない!といったん止めたくらい、最初は不安もありました。 でもエアリアルの稽古もすごく丁寧にやってもらえて、根性論で、できるまでやる!というやり方ではなく、必ず少し日を空けて、脳を整理して、落ち着いたところでまたトライさせてもらえる。そんな稽古の仕方だったので、不安なく今日を迎えることができました。 劇場はお化けがいるとよく言いますが、いいお化けもいるんですね。PARCO劇場も舞台に立った時にすごく良い気や、守られているなと感じることがあるのでいいお化けがいるのではないかなと思っています。 イギリスで丁寧に創られたこの作品を、ちゃんと日本の皆様に届けたいです。そして皆さんにも想像力をいっぱい使っていただき、一緒に創り上げていただきたいと思います。 ■ 「モンスター・コールズ」 2024年2月10日(土)~3月3日(日) 東京都 PARCO劇場 2024年3月8日(金)~17日(日) 大阪府 COOL JAPAN PARK OSAKA WWホール 原作:パトリック・ネス 原案:シヴォーン・ダウド 脚色:サリー・クックソン、アダム・ペック、オリジナル・カンパニー 演出:サリー・クックソン 翻訳:常田景子 出演:佐藤勝利、山内圭哉、瀬奈じゅん、葛山信吾、銀粉蝶 / 半澤友美、高橋良輔、大津夕陽、森川大輝、倉知あゆか、池田実桜