【阪神】8番へ打順変更の中野拓夢が執念の一打 岡田彰布監督へ球団歴代2位484勝目プレゼント
◆JERAセ・リーグ 中日1―2阪神(14日・バンテリンドーム) 阪神・中野拓夢内野手(27)が執念の一打で白星を呼び、岡田監督へ歴代2位・吉田義男氏に並ぶ球団監督通算484勝目を贈った。1―1の7回2死二塁、右前へポトリと落ちる勝ち越し打。3回にも同点につながる左前打を放ち、5戦ぶりマルチ安打だ。開幕から全試合2番に座った男が、21年7月14日以来の8番。即結果を出し「やるべきことは変わらない。うまくいかない打席が続いていたので、気分転換になった」と引き分けを挟む連敗を3で止め、胸を張った。 指揮官は現状打破へ、日本一打線を大幅シャッフルした。昨季全試合4番の大山を5番起用し、佐藤輝を4番に。今季初めて近本・中野の1、2番コンビを“解消”し、木浪、梅野の1、2番。就任後初めて近本を3番に据えた。岡田監督は就任当初から「近本が3番を打つ時は、チーム状況が悪い時や」と語っていた。 そんな苦肉の新オーダーを組んだ指揮官の思いに、選手は応えた。昨年4月以来となる2番起用の梅野は、3回に同点の中前適時打。「監督が試行錯誤しながら考えた中で、勝てたことはいいこと」と納得した。 岡田監督に節目の1勝をプレゼントこそできたが、打線は15三振。リーグワーストの打率2割6厘、7試合連続の2得点以下と深刻な状況は続く。選手会長を務める中野は、この日の勝利に浸らず「チームの現状は良くない」と明かした。 16日からは甲子園に戻り、巨人、中日と6連戦。中野は「何とか打撃陣がピッチャーを楽にして投げさせてあげられる展開を」と誓った。苦しみながらつかんだ1勝をきっかけに、連勝街道へ突き進む。(直川 響)
報知新聞社