個人情報公開の市議になりすましマイナカード偽造、スマホだまし取る…容疑の男を逮捕
偽造マイナンバーカードで大阪府八尾市の市議のスマートフォンを乗っ取ったとして、愛知県警と大阪府警の合同捜査本部は28日、名古屋市東区、自営業の男(39)を詐欺容疑などで逮捕したと発表した。逮捕は26日。捜査本部は、他人になりすましてスマホのSIMカードを不正発行させる手口「SIMスワップ」とみて調べている。
発表などによると、男は4月30日午後、名古屋市内の携帯電話販売店で大阪府八尾市の市議になりすまし、偽造のマイナカードを提示して機種変更を申し込み、スマホ1台(販売価格24万6180円)をだまし取った疑い。また、だまし取ったスマホを同日中に別の店舗で売却した疑い。調べに対し、男は「間違いありません。お金がほしかった」と容疑を認めている。
偽造マイナカードは、マイナカードのデザインをプラスチックのカードに印刷したもので、市議の氏名と生年月日、住所が記入されていた。写真は男のものだった。市議の個人情報はインターネット上に公開されていたという。店舗ではマイナカードの目視だけで、ICチップによる本人確認は行っていなかった。
市議によると、同日午後、スマホの電波が途切れたことに気づき、契約する携帯電話の店舗に相談したところ、「名古屋市の店舗で機種変更されている」と告げられた。その後、市議名義のローンが組まれ、225万円のロレックスの腕時計が購入されたり、スマホのキャッシュレス決済でタクシーの乗車料金など約17万円が支払われたりしていたという。