ハワイ「ザ・カハラ・ホテル&リゾート」新入社員、初のサスティナビリティ・マネージャーに就任
入社数ヵ月でサスティナビリティ・マネージャーに抜擢
――ロジャーウッドさんが入社されたのは2023年の夏だとか。新入社員にしてサスティナビリティ・マネージャーに抜擢されたわけですが、その経緯を教えてください。 私自身、この大抜擢を驚いているくらいなのですが(笑)。ただ、高校時代からボランティアでビーチクリーニングや森林保護に携わるなど、自然環境の保護には強い関心を抱いていました。大学では観光や生物学を専攻し、オーバーツーリズムと環境保護の関係についても学び、ハワイ州観光局のサスティナビリティ部門でインターンシップも経験しています。 当ホテルのKISCAという取り組みを知ったのは入社後ですが、これはまさに私がやりたかったこと。なので、新入社員ではありましたが、「こんなこともできるのでは?」と積極的に意見を伝え、関わらせていただきました。それで、この役職に適任だと思ってもらえたのかもしれません。 ――最後に今後の目標や抱負について、お聞かせください。 私は地元出身で、ハワイの自然と文化を心から愛しています。この美しい島に、世界中からたくさんの観光客がいらしてくださるのはとても嬉しい一方で、オーバーツーリズムによって大切な自然が失われつつあることに問題意識も持っています。おそらくそれは、多くのハワイアンが感じていることでしょう。 ハワイは食糧の大多数を輸入に頼っていることは有名ですが、ウェルカム・レイで使われる花として、タイなど海外から輸入したオーキッドを使っているところも少なくないそうです。そうした現状は、本当に胸が痛みます。地産地消の意識がハワイ全体で高まっていますが、これが定着することを願っていますし、当ホテルは、その牽引役を担うべき存在。 すでに、レストランで使う野菜の栽培に取り組み始めましたが、いずれレイに使う花も栽培できたらと、個人的には考えています。また、ハワイ固有の木の植樹も、もっと広げていきたいですね。 そして、観光客のみなさんにも、ハワイの自然を守るために力を貸していただきたいと思っています。それには、サンゴ礁やあざらしに触れてはいけない、プラスティック類をはじめ、ゴミをビーチに捨てないなど、海に関する基本的なルールを学んでいただく必要があります。KISCAのアクティビティを通じて、多くの方々の意識が変わり、ハワイの自然が守られれば、とても嬉しいですね。 5月1日の「メーデー」や6月18日の「世界海洋デー」は、みなさんに楽しんでいただけるアクティビティを予定しています。ハワイの自然と文化、そして、美しい地球を守るために、少しでも役立つよう、これからも精一杯努めます。
TEXT=村上早苗