王者・中川健太「気負わず、普通に防衛します」挑戦者・大橋哲朗「穴口さんの思い背負って戦う」WBOアジアパシフィック王座戦
◆プロボクシング▽WBOアジアパシフィクスーパーフライ級(52・1キロ以下)タイトルマッチ12回戦 王者・中川健太―同級3位・大橋哲朗(6日、後楽園ホール) タイトル戦の計量が5日、都内で行われV2戦となるチャンピオンの中川健太(38)=三迫=、挑戦者の同級3位・大橋哲朗(25)=真正=ともにリミットの52・1キロで1回でパスした。 プロ30戦目、38歳の王者はベテランらしく泰然自若の姿勢を貫いた。「(相手は)スピードがあってディフェンスのいい選手。なかなか捕まえるのは難しいが、しっかり対策はしてきた。勝ちに徹します」感情を押し殺し、静かに話した。世界ランクはWBC、WBOでともに2位、WBAは4位、IBFでは9位といずれも世界挑戦の権利を有している。「毎回そうだが、いよいよ負けられない試合。そんな中でもあまり気負わず、普通に防衛します」と無欲を強調する。 両選手は3年前の夏にフィリピン合宿をともに行い、現地ではスパーリング中心に腕を磨いた間柄だ。当時は対戦するなどの考えはなかったという大橋は「タイトルマッチという大きな舞台で対戦することになり、この一戦にかける思いは今までの試合の中で一番大きい。出せるものはすべて出す」と意気込む。ジムの後輩で友人の穴口一輝さんが試合中の事故により2月2日に死去した。辛い思いを乗り越えてのリングになるが「ボクサーとして尊敬していた。彼がこの世を去ってすごく悲しいことだが、みんなでミーティングして前を向いていくしかないと誓った。明日は彼の思いも背負って戦いたい」と言葉に力を込めた。 戦績は中川が24勝(12KO)4敗1分け、大橋は11勝(2KO)3敗1分け。
報知新聞社