【番記者の視点】横浜FM粘り勝ち「エース」がいるチームは強い しかも「エース」は「鉄人」でもある
◆明治安田J1リーグ▽第3節 横浜FM2―0G大阪(10日・日産スタジアム) 横浜FMはG大阪を2―0で下し、4位に浮上した。FWアンデルソンロペスが決勝点を挙げた。 * * * 「エース」がいるチームは強い。そう思わせる粘り勝ちだった。 連戦の影響もあり、序盤から選手たちの体は重そうだった。前半、攻撃面で好パフォーマンスだったのはDF畠中槙之輔ぐらいだったか。しかし、右CBに入った畠中の球出しは良かったものの、それを受けるFWヤンマテウスは明らかに不調。右サイドの芝生状態が特に悪かったこともあり、攻撃は停滞した。 結果的に、前半に8本、後半に13本のシュートを浴びた。ミスからボールを失う場面があまりに多かった。内容としては「負け試合」だったかもしれない。 しかし、勝った。0―0の後半8分、FWアンデルソンロペスが相手DFを片手で押さえながらボールを受け、シュート体勢を作り出す。そして、シュート。ハイレベルな技術が詰まった決勝点だった。G大阪のFW宇佐美貴史は「一発で試合を決められる選手が向こうにはいた」と淡々と振り返っていた。決定力の差で勝負あり―。 * * * 今季公式戦11試合全試合先発。リーグ戦は全試合フルタイム出場。それでもロペスは「とても体の状態はよく、100%の状態です。アスリートなので、試合後にしっかりとケアをし、休息を取り、栄養もとってしっかり寝るだけですよ」と胸を張る。 この日の先発選定に当たり、キューウェル監督に「状態はどうだ? 疲れは?」と聞かれた。「100%。疲れはないです」と答えた。 「もし疲れがあったら監督に言います。でも本当に状態が良かったので。…次も出たいです(笑い)」 「小さい頃から『鉄人』だったの?」と聞くと「もちろん。いつも私はハングリー」と笑顔が返ってきた。過酷な連戦は今後も続く。次も中2日。その次は、韓国への移動日込みで中3日。それでも「エース」がいるチームは強いし、その「エース」は「鉄人」でもあるわけだから、これほど頼りになる男はいない。(横浜FM担当・岡島 智哉)
報知新聞社