子どもたちに遊び場を 27日に農地公園オープンへ 鴨川(千葉県)
里山の自然の中に、子どもたちの遊び場を――。鴨川市内でハーブなどの栽培やカフェ、シェアファームを運営する株式会社苗目(井上隆太郎社長)が、長狭地区で農地を活用した公園「Soil to Soul FARMPARK」の整備を進めている。今月27日に開園予定で、関係者は「子どもたちが自然や環境、動植物に興味を持つきっかけになれば」と期待を込める。 2015年に東京から同地区に移住し、農業をしていた井上社長(47)が、耕作放棄地の多さに驚き活用法を模索。一方、子育てをする中、「近くに子どもたちの遊び場がない」と実感し、「耕作放棄地を農地のまま遊び場にして、豊かな自然を次世代につないでいきたい」と思い立ったという。 趣旨に賛同した県内外の企業などから協力を得て、公園を維持管理していく資金のめども立ったことから、3年前に購入していた「里のMUJIみんなみの里」に隣接する農地約600坪の整備計画を昨年から始動。年末から3カ月間実施したクラウドファンディングでは500万円を集め、整備費用に充てた。 名称は「土から魂へ」を意味し、「農業や自然を通じて、子どもたちの心を育てる場所」がコンセプト。中央には、草屋根に上って遊んだり、中で休憩したりできるシンボルの「遊び小屋」を設置し、園内ではポニーやヤギ、ニワトリとも触れ合うことができる。 遊び小屋を囲むサークル状の畑では、食べられる花やハーブ、野菜を栽培。ブルーベリーやザクロなどの果樹も自社の農場から移植し、年間を通して150種以上の植物を楽しむことができる。「園内は全て食べられる植物なので、子どもたちに遊びながら味わったり、香りを嗅いだりする体験もしてみてほしい」と井上社長。 入場無料で、開園時間は午前9時~午後5時。みんなみの里の駐車場を利用でき、駐車場との間には、鴨川産のスギを使った「丸太階段」も整備している。 今後は、地元の有志らと立ち上げた一般社団法人が運営し、イベントなども開催していく予定で、井上社長は「遊び方、過ごし方に決まりはないので、自由に利用してもらい、楽しい場所にしていきたい」と話している。