『海の砂漠化』日本各地で海藻の減少が問題に 原因の一つはウニ 兵庫の人気水族館「城崎マリンワールド」の挑戦とは
海の砂漠化を少しでも防ごうと、城崎マリンワールドでは伊藤さんが中心となり、大量発生した「ムラサキウニ」の採集に乗り出しました。 ドライバーで1個1個丁寧に、穴や隙間からウニを取り出してかごに入れていきます。 かごいっぱいのウニ。この日はわずか1時間で、30キロほどのウニが採れました。 城崎マリンワールドの周辺で、ムラサキウニが増えた原因はまだ分かっていません。
今は海藻が少なく、ムラサキウニが大量発生して砂漠化していますが、採集活動により海藻が戻れば、かつてのように稚魚や魚たちが集まってきて豊かな生態系が復活するきっかけになることが期待されます。 そして、海藻の光合成で二酸化炭素が吸収されるため、大気中の温室効果ガスを減らす上でも重要な役割を果たします。
■海藻の赤ちゃんを育てる取り組みも
6月、水族館に新しい水槽が登場しました。 水槽の中にいるのは、この辺りに生息し、地元の人にはなじみのある海藻「アカモク」の赤ちゃんです。展示しながら育成しています。 【城崎マリンワールド 伊藤公一さん】「今は大きいもので2センチくらいなんですけど、大きくなると2メートル、3メートルと結構大きくなる海藻です。いずれたくさん作れるようになったら、海に返していきたいなと思ってます」 まずは自分たちができることから、少しずつ手探りで始めています。
採集した「ムラサキウニ」も水族館で展示しているのも、城崎マリンワールドならではです。 【記者】「すごい、すごい!食べてる?」 ウニがキャベツを食べている姿を見せてもらいました。園内のレストランで廃棄される予定だったキャベツをエサに飼育しているのです。 【記者】「引っ張っても(キャベツを)離さない!」 さらに、この日捕ったウニを食べさせてもらうことに。 【記者】「香ばしい。おいしい!食べられると分かったら、たくさん捕りたくなりますよね」 【城崎マリンワールド 伊藤公一さん】「(漁師さんに)捕っていただけたらウニが減るので、適正な量になっていくのかなと思います」 海藻がない今は身が小さく、ただの厄介者ですが、飼育がうまくいって城崎の名産になれば、漁師がウニを捕り、海藻も残る。そんな環境が理想です。
【城崎マリンワールド 伊藤公一さん】「海藻がたくさんあればウニたちも飢えずに済むので、ウニが悪いわけではないので。飼っているとだんだんかわいくなってくるんですよね。海藻を戻していけば、魚もたくさん戻ってくるかもしれないので、がんばっていきたいなと思います」 (関西テレビ「newsランナー」 2024年6月18日放送)