『室井慎次』緒方の“あのセリフ”は甲本雅裕のアドリブ!室井との胸アツ再会シーン秘話【ネタバレあり】
緒方の疾走シーンでまさかのアクシデント
新作の撮影現場では、柳葉から「頼むよ。あそこはおまえのシーンなんだから、盛り上げてくれよ」と登場シーンについて声をかけられたという。「盛り上げるってどうしたらいいんだろう、僕ができることって何だろうって考えました。それに、『緒方が室井さんと2人になったら何を話すの!?』って(笑)」と戸惑いを語るも、「ただ、いままで僕は『踊る』でいろいろいなものを崩してきたので、『室井管理官を崩しにかかるのか?』『それは室井さんを超えて柳葉さんが怒らないか?』と考えました。でも、『指名を受けた以上はトライするしかない!』と思ってやりましたが、室井さんは崩れないんです(笑)」
「僕も緒方も、湾岸署の入り口で敬礼していた頃に戻っていたんだと思います、無意識に」と甲本。『敗れざる者』で緒方は、「踊る大捜査線番外編 湾岸署婦警物語 初夏の交通安全スペシャル」で見せた独特の走りを披露したが、「ちょっと足の筋肉を傷めてしまって、みなさんにご迷惑をおかけしていました」としょげる。「『来年還暦なんだよな……』と思うんですけどね(笑)。室井さんを見たら、止まりませんでした」
そのシーンで緒方は、ヘリコプターからさっそうと降りてくる。「そこは、スマートにシンプルに、落ち着いてカッコよく降りようと思っていました。自分は捜査一課で、どうこの現場を仕切るのかということでいっぱいいっぱいで、部下に動揺を見せてはいけないだろうし」と気合が入ったが、同時に感慨もあった。「連ドラのときの僕は、次の台本をいただいて初めて『あ、次回も出られるんだ』と思っていました。回を重ねて、役に少しずつ厚みがついてきて、ここの一員なんだ、俺に何ができるんだろうって考えられるようになっていった。それで27年です。そんな緒方が、ヘリですからね」としみじみ。「踊る」では、ヘリコプターは室井の象徴のように使われている。「『俺、ここにいるんだなぁ』って不思議な気持ちになりました」と振り返った。