35歳、いまだに「正社員」の経験がなく将来が不安です。年収もずっと「300万円台」ですが、やはり非正規は良くないですか…?
正社員の経験がないまま年齢を重ね、年収が上がらない状況が続いていると、不安になる人も多いはずです。さまざまな事情から非正規雇用での労働を続けてきたものの、年収はずっと300万円台で経済的な面での充実が得られていないという人も少なくないでしょう。 ▼勤続20年でも年収は「280万円」貯蓄も「30万円」しかないのは少なすぎ!? 転職したほうが良いの? ここでは、非正規雇用で働き続けてきた人が、正規雇用を目指すべきなのかどうかについて、非正規雇用のメリット・デメリットを確認しながら解説していきます。
非正規雇用のメリット
非正規雇用で働くことのメリットの1つは、1つの仕事内容や職場にとらわれず、自由な働き方ができる点です。例えば短時間の契約にすることで、将来の夢を追いかけるために勉強や修行をしたり、趣味のために時間を割いたりするなど、仕事とプライベートとのバランスが取りやすくなります。 また、非正規雇用の場合は、仕事内容や範囲が限定されているケースが比較的多いため、自分の得意な専門分野に集中して仕事をすることもできます。 また、非正規雇用であっても、多くの場合、正規雇用と同様の福利厚生を受けることができます。例えば、雇用保険については、週に20時間以上勤務し、31日以上の雇用が見込まれている場合には加入することになります。 健康保険や厚生年金保険についても、一定以上の規模の会社については、所定労働時間が週に20時間以上、2ヵ月超の雇用見込み、1ヶ月あたりの給与が8万8000円以上であるなどの条件を満たせば加入することができます。このように、多くの場合、非正規雇用であっても正規雇用と同様の福利厚生を受けることが可能です。
非正規雇用のデメリット
非正規雇用のデメリットで大きなものは、雇用が不安定であるということです。雇用期間が決まっている場合、期間の満了によって雇用契約が終了してしまいます。 もちろん、契約を更新できる可能性はありますが、保証されているわけではありません。そのため、雇用期間満了後の仕事を新たに探さなければならないことも多いのです。次の仕事が見つかるかどうかは、求人の状況など、その時々の情勢に影響を受けるため、うまく仕事が見つからず、次の仕事に就くまでブランクが生じてしまう可能性もあります。 また、非正規雇用は正規雇用に比べて賃金が低くなりがちであるという傾向があります。厚生労働省の令和4年賃金構造基本統計調査によると、正規雇用の1ヶ月あたりの平均の賃金が32万8000円なのに対し、非正規雇用の平均の賃金は22万1300円となっており、非正規は正規の67.5%程度の賃金しか得られていません。