静岡ホビーショー ホンダバイクから海自補給艦、木製城郭などズラリ
国内の模型メーカーが一堂に会して新商品を発表する恒例の静岡ホビーショーが静岡市のツインメッセ静岡で開幕、80の企業・団体がプラモデルなどの新作を披露している。初日の11日と12日は国内外のバイヤーが招待され、出展各社のブースで熱い商談が繰り広げられた。13、14日に一般公開される。ほんの一部を紹介する。
模型メーカー最大手のタミヤ(静岡市葵区)は、プラモデルの新作としてホンダのオフロードバイク、CRF1000Lアフリカツインの6分の1モデルをオートバイシリーズとして出展、6月下旬より発売を開始する。また、オートバイのチェーンのみを6分の1サイズでモデル化した組立式チェーンセットも6月24日より発売。 精緻な作りでマニアにとっては垂涎のモデルとなりそう。ラジコンではタミヤ初の6輪駆動車を発表したほか、メルセデスベンツの次世代トラック「アクロス」の精緻なラジコンも。内部スピーカーから本物のエンジン音やブレーキ音が発せられ、ライトも実物同様に点灯する凝りよう。
「防衛力新たな段階に突入」とのキャッチフレーズで海上自衛隊の補給艦「ましゅう」の700分の1のプラモデルを出展したのは、デコトラシリーズなどで知られる青島文化教材社(静岡市葵区)。インド洋での補給活動で活躍した「ましゅう」は、同社によると護衛艦いずもが就役するまでは最大の海自艦船であったという。 同社担当者によると、震災時の物資補給でも活躍し、今後、米軍艦船への補給など重要度が増していくとみられているとのこと。プラモデルとして製品化するにあたっては、社会情勢も加味されているようだ。
クルマやバイク、鉄道に戦車といった模型の中で、異色な魅力を放っていたのが木製模型を手がけるウッディジョー(静岡市駿河区)のブース。城郭などの歴史建造物や船舶などの木製模型を作っているという。 ブースには150分の1の木製の城の模型がズラリ。広島城と高知城、丸岡城が今回新たに加わったという。「すべて150分の1のサイズ。この展示を見て、城の大きさが違うことを知ってもらえたら嬉しい」と担当者。興味深い展示に多くの人が足を止めていた。
会場には本物のクルマやフィギュアに扮したモデルも登場して場を盛り上げていた。メーカーの担当者によると、プラモデルを作る層が高齢化しており、各メーカーはいかに若い人の興味をひくか腐心しているという。 また、中国では、プラモデルを作る事自体が新しい感覚とのこと。そのためメーカー各社は新たな市場として中国に注目しているという。会場には海外からのバイヤーの姿も見られ、模型の世界はより国際化している印象を受けた。 ホビーショーは毎年5月に静岡、9月に東京で開催されており、静岡での開催は56回目。13、14日は無料で一般公開され例年7万人もの人が訪れる。