ウォール街保安官、クレイトン氏起用-前SEC委員長がNY検事正に
(ブルームバーグ): トランプ次期米大統領は、1期目の政権で証券取引委員会(SEC)委員長を務めたジョゼフ・クレイトン氏をニューヨーク州南部地区連邦地検の検事正に起用する方針を固めた。自らが起訴された刑事事件の被告人弁護士2人も司法省の要職に登用する。米国の法執行機関再編に向け具体的な人選に入った。
トランプ氏は11万5000人余りの職員を擁する司法省の抜本改革を示唆し、数カ月にわたり批判を浴びてきた。今週に入り忠誠心の厚いマット・ゲーツ元下院議員の司法長官への起用が明らかになると、違法行為の疑惑を抱える資質が問題視され、政治的批判の嵐を招いた。
次期大統領は、自らが起訴された事件で弁護を担当したトッド・ブランシュ元連邦検事を司法副長官、エミル・ボーブ氏を首席司法次官に選んだ。
トランプ氏は機密文書を不適切に保管した連邦法違反など複数の刑事事件で起訴され、不倫口止め料の記録改ざんを巡っては、ニューヨーク州の裁判所の陪審が34件の罪で有罪評決を下した。
連邦検事の経験がないクレイトン氏のような人物が、連邦地検のポストに登用されることは珍しい。承認されれば「ウォール街の保安官」とも称されるマンハッタンの連邦地検の検事正となり、外国からの献金疑惑に関係する収賄罪で起訴されたニューヨーク市長エリック・アダムズ被告の公訴を含め、注目度の高い事件を担当することになる。
原題:Trump Taps Ex-SEC Chair Jay Clayton to Be Wall Street’s Cop (2)(抜粋)
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Ava Benny-Morrison, Chris Dolmetsch