田中圭「おっさんずラブは、自分たちへのご褒美だと思っています」──ドラマ『おっさんずラブ-リターンズ-』
男性同士の恋愛を描く作品が日本国内でメジャー化していくきっかけとなった『おっさんずラブ』は、2021年の香港、2023年のタイと、ドラマ版が海外リメイクされるなど、国内外で共感を集めた。一方で、今でこそ日本でも性的マイノリティに関する議論が活発になっているが、当時は難しいテーマだったはずだ。 「誰もが夢中になるような“純愛ドラマ”をやろう、という気持ちで作りました。好きになった相手が、たまたま男性だっただけ。社会に一石を投じようとかではなく、おっさんたちが本気で恋をして、真剣にぶつかって、泣いて、生きるストーリーに徹しました。やることはシンプルで、今回もそれをやろう、という思いです」 1月5日から放送される新シリーズ『おっさんずラブ-リターンズ-』(テレビ朝日系/毎週金曜23時15分※一部地域除く)は、“初代おっさんずラブ”の続編にあたる。アラフォーになった春田創一(田中)&牧凌太(林遣都)の新婚生活が描かれることになるが、そこに吉田鋼太郎演じる黒澤武蔵が家政夫として現れて……というストーリーの中、家族とは、結婚とは何なのかを問い直し、新しい愛のカタチを模索していく。 「新シリーズでは、恋愛の先にある、結婚や家族って何だろう?というところで春田と牧が向き合っていきます。そこに家政夫の武蔵が関わってきます。大きなことは言えないですが、“家族愛”というテーマが視聴者に届けばいいなという思いはありつつも、基本的には自分たちへのご褒美だと思っています」 これだけのヒット作となると続編のプレッシャーは計り知れない。作品や役柄の色がつくことを避ける俳優も少なくない。それが、ご褒美とはどういう意味だろうか? 「応援してくださる、待ち望んでくださる方々の思いを受けて、好きなスタッフ、好きな役者、好きな仲間が全員揃って集まれるのは、ご褒美だなと思いました。もちろん、最初に続編の話をいただいた時は嬉しかったですし、またみんなでできる!という喜びがありましたが、“ご褒美”という感覚はあくまで最近になってからのこと。海外でリメイクされるなど、たくさんの方が愛してくれている作品なので、最初は続編の不安やプレッシャーを感じていました。自分たちの手を離れた作品が大きくなって帰ってくるというのは、少し恐い気持ちもありましたね」 」 作品がヒットすればするほど、時間の経過がマイナスに働く場面も多くなる。 「5年ぶりというのもあって、あの時の春田を演じきれるかなという気持ちはありました。それぞれ状況も変わっているので、簡単なことではないなと感じていました。だから恐さもあったんです。でも台本をもらって、撮影が近づくにつれて、『またみんなに楽しんでもらえるかもしれない』というワクワク感が勝っていきましたね。僕たちからファンの皆さんに、楽しい時間を毎週届けられたらいい、そんな思いです」 一方で、「バズらせようなんて思っていない」とも言い切る。その真意はどこにあるのだろうか。 「シーズン1の初代「天空不動産編」以上に楽しんでもらえる作品を目指す気持ちはありますが、今回は1を超えるという感覚とはまた違って。むしろ、愛という大きなテーマを見つめ直していくというイメージです。僕らが前作では描ききれなかったと感じている部分、つまり恋愛の先にあるもの、大きな愛をみんなに届けたい。心が動かされたり、勇気づけられたり、誰か1人でもその人が共感してくれるのであれば、十分に価値があると思うんです。今はプレッシャーよりも、純粋に楽しむ気持ちの方が大きいです」 ニット¥234,300、タンクトップ¥55,000、パンツ¥148,500、ネックレス¥136,400 by LOEWE(ロエベ ジャパン クライアントサービス TEL:03-6215-6116)