羽田の日航・海保機衝突事故、初動時に課題 休日夜間の派遣体制強化へ 国交省が検証結果公表
羽田空港で日本航空と海上保安庁の航空機が衝突した事故で、国土交通省は28日、事故当時の消火救助、医療活動の状況を検証した結果をとりまとめた。事故は正月休暇中に発生し、空港側の救助隊員の参集が限られるなど初動時の体制に課題があったと指摘。休日夜間の派遣体制を強化する関係要領を8月中に改正する。 事故は1月2日午後5時47分ごろ発生。東京空港事務所の化学消防車6台が出動し、その後空港外から消防車両100台以上と医療関係者37人も加わり、消火、救助活動などに当たった。同6時5分、日航機に搭乗した乗客乗員379人が機外へ脱出。5人が救急搬送されたが、他の乗客はターミナルに避難した。 国交省によると、羽田空港では夜間に発生した航空事故などの対応に当たる空港側の初動体制を80人と想定していたが、実際は約40人しか集まらなかった。また、救助活動の現場が混乱し、負傷者の情報が伝達できない時間帯も発生。医療関係者の派遣規模の判断に時間を要する事態も起きた。 このため、同省は休日や夜間に派遣できる空港側の初動体制の拡充を図るほか、航空事故などで非常脱出が行われた場合、すべての医療リソースを投入できるよう関係要領を改正、運用などを見直す方針。