ゼレンスキー氏、ロシア西部で敵5万人を抑え込んでいると説明 北朝鮮兵も含まれると米紙
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は11日、ロシア西部クルスク州への侵攻作戦で、現在約5万人のロシア兵を抑え込んでいると述べた。米有力紙は同日、クルスク州にいるロシア側の兵士には北朝鮮兵も含まれていると報じた。 ゼレンスキー氏はこの日の国民に向けた演説で、クルスク州に展開しているウクライナ部隊を視察したオレクサンドル・シルスキー総司令官から説明を受けたとしたうえで、「私たちの部隊は(中略)占領軍の兵士5万人を抑え込んでいる。それらの兵士は、私たちのクルスク作戦によって、私たちの領土におけるロシア軍の他の攻撃に移ることができないでいる」と述べた。 シルスキー総司令官は、もしクルスク州にウクライナ軍が展開していなければ、ウクライナ東部ドネツク州の同軍陣地に「ロシアの優秀な突撃部隊から数万人が押し寄せていただろう」と述べている。ドネツク州は、10年前にウクライナ・ドンバス地方で紛争が勃発して以来、重要な戦場となっている。 そのドネツク州では、戦闘が激化している。ウクライナが支配するクラホフ町近くのダムの破損をめぐり、ウクライナとロシアは11日、互いを非難した。ロシア軍は、ウクライナ軍の主要補給拠点の重要都市ポクロフスクに向け、数カ月にわたってゆっくり前進している。 クルスク州での作戦によって、ウクライナに対するロシアの攻撃力が低下しているとの見方は、西側の友好国の一部は懐疑的だ。だがゼレンスキー氏は以前から、越境攻撃の目標はこれだとしてきた。 米シンクタンク戦争研究所(ISW)によると、ウクライナが8月上旬に衝撃的な侵攻を開始したとき、クルスク州にロシアが配置していた兵士は1万1000人ほどだった。 米紙ニューヨーク・タイムズによれば、ロシアはその後、ウクライナから兵士を撤退させることなく、クルスク州で兵力を増強させたという。そのため、ロシアはいくつかの前線で同時に攻勢に出ることが可能になっているという。 ■北朝鮮兵も多数クルスク入りか ニューヨーク・タイムズはまた、ロシアによる反撃が目前に迫るなか、クルスク州には北朝鮮の兵士らも送り込まれていると報じた。アメリカとウクライナの当局者の話をもとに、クルスク州での反撃の準備をしているロシアと北朝鮮の兵士を計約5万人とした。 北朝鮮兵については、ウクライナもアメリカも、1万人以上がロシアに送られたとしている。当のロシアは、クルスク州に北朝鮮兵がいるともいないとも言っていない。 一方、北朝鮮では、最高指導者の金正恩(キム・ジョンウン)総書記がロシアとの相互防衛条約を批准する法令に署名したという発表があった。この条約は、6月にロシアであった両国の首脳会談の際に双方が署名した。 ロシアにとって北朝鮮は、ソヴィエト連邦時代から緊密な友好国。両国の関係は、2022年2月のウクライナ侵攻でロシアが国際社会で孤立して以来、親密さを増している。アメリカは、北朝鮮が弾道ミサイルや発射台を含む膨大な量の軍事機材をロシアに提供していると、繰り返し非難している。 北大西洋条約機構(NATO)のマルク・ルッテ事務総長は最近、国際制裁下にある北朝鮮が、ロシアから軍事技術やその他の支援を受けていると示唆している。 (英語記事 Zelensky says Russia has 50,000 troops in Kursk
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