三谷幸喜「僕が信頼している俳優さんにしか仕掛けないです」舞台本番中におこなっている仰天行動に山崎怜奈「何をしているんですか(笑)?」
TOKYO FMで月曜から木曜の深夜1時に放送の“ラジオの中のBAR”「TOKYO SPEAKEASY」。今回のお客様は、脚本家・三谷幸喜さんと山崎怜奈さん。ここでは、三谷さんが演出した舞台公演中におこなっていることや、現在公開中の映画「スオミの話をしよう」に出演した西島秀俊さんの素顔について明かしました。
◆三谷の仕事の1つ!? 本番中の俳優さんを…
山崎:三谷さんは、舞台の本番中に袖にこっそり控えてというか……(笑)。 三谷:(公演中に)“お客さんに見られないところに隠れて、本番中の俳優さんを笑わせる”というのが、僕の仕事の1つですね。 山崎:出ているときに目線の先に三谷さんがいるという。 三谷:でも、俳優さんは笑っちゃいけないんですよ、お客さんに“なんで笑っているんだ?”って思われるとダメなので。だからこそ、僕は“ちょっとでも笑わせたい”みたいな。それを一生懸命我慢しながら、ちゃんと芝居をしている俳優さんって尊いな……と思って見ているんです。 山崎:(笑)。 三谷:ただ、これは本当に俳優さんとの信頼関係があってこそですから。僕が“絶対に崩れない”って信頼している俳優さんにしか笑いを仕掛けないです。 山崎:なんで、そんな試すようなことをするんですか(笑)? 三谷:むしろ(仕掛けられた俳優は)誇りに思ってほしい。 山崎:ハハハ(笑)! 三谷:“また三谷がふざけたことをやってきたけど、自分のことをそれだけ信頼してくれているんだな”って、感謝してほしいぐらいなんですけど……みんな文句を言うんですよね(苦笑)。 山崎:そりゃあそうですよ(笑)! 本番中だもん。 三谷:本番中じゃないと意味がないんです(笑)。
◆撮影現場で見えてきた、西島秀俊の素顔
山崎:映画「スオミの話をしよう」の撮影でも(出演者の)小林隆さんを操っていたって……。 三谷:“西島(秀俊)さんがものすごく笑う”っていうことが(撮影の)途中でわかって。 山崎:そんなイメージはなかったですか? 三谷:彼の最初のイメージは“ものすごく寡黙でストイックな人”。 山崎:確かに、結構シリアスな役とかが多いですもんね。 三谷:そうなんです。でも普段は、すごく明るくてお話も好きで、お笑い芸人さんのように楽しそうにエピソードトークをしてくださるんですよ。だから“こんなに面白い人なんだな”っていうのは分かっていたんだけど、さすがに“本番で笑っちゃう”みたいなことは多分ないだろうと思っていて。 山崎:うんうん。 三谷:そうしたら今回の小林隆さんの役が、実年齢よりもちょっと若いイメージだったので「若作りしてほしい」ってお願いして、髪も眉毛も染めてもらったんです。 その流れで、まつげも少しカールして、一重を二重にしてもらったりしたんですよ。すると、本番中に小林隆さんの顔を見た西島さんが「ウッ……」って、ちょっと笑っちゃったんですよね。 山崎:(笑)。 三谷:それからハマってしまって、(西島さんが)コバさんと目が合うと笑いがとまらなくなっちゃって。 山崎:そのなかでお芝居をするのは大変ですね(笑)。 三谷:そうそう(笑)。それがだんだんと面白くなってきて、そういう演技プランじゃなかったんだけど、“もうちょっと笑わせてみよう”と思って「コバさん、もうちょっと西島さんのほうに回り込んで、ちゃんと彼の目を見てくれる?」ってお願いしたらやってくれて……(笑)。 山崎:何をしているんですか(笑)。 三谷:“西島さんを笑わせる”ということが作品としてどれだけプラスになるかは分からないんだけど、とりあえず面白かったんでやってみたかった(笑)。 (TOKYO FM「TOKYO SPEAKEASY」放送より)