今年の恵方巻、23年比4%値上げ 「海鮮恵方巻」では値下げ目立ち、お買い得感強まる
2024年節分シーズン「恵方巻」価格調査
全国の大手コンビニエンスストアや外食チェーン、スーパー、百貨店、著名な日本料理店など計104社で販売される2024年節分シーズンの恵方巻価格を調査した結果、一般的な五目・七目の恵方巻(太巻・1本当たり)における平均価格は948円(税込)だった。1年前(23年節分、「昨シーズン」)の909円に比べて39円、率にして4.3%の値上がりとなったほか、2年前に比べると113円・13.5%の値上がりとなった。豪華で高級志向な品が多い海鮮恵方巻では平均1729円となり、前年(1689円)から40円・2.4%の上昇となった。 前年から価格が上昇した恵方巻を値上げ幅別にみると、最も多いのは「100円未満」で、全体の4割超にあたる31社に上った。回転寿司チェーンや食品スーパーなど量販店で販売する単価400~700円台の恵方巻で多くみられた。昨シーズンから値上げを行った恵方巻は47社に上り、前年の48社に比べて1社減少した。 海鮮恵方巻の値上げ幅でも「100円未満」とした企業が18社と最も多く、昨シーズンから7社減となる計43社で値上げとなった。
水産品の価格が低下、海鮮恵方巻に恩恵
他方、今シーズンは昨シーズンからの価格据え置きや、値下げといった動きが多くみられた。恵方巻では「据え置き・値下げ」が22社(31.9%)、海鮮恵方巻では35社(44.9%)判明し、それぞれ前年から増加した。特に海鮮恵方巻では、大幅な価格引き上げが目立った昨シーズンに比べ、値上げでも小幅なものが多い点が特徴的となる。 昨シーズンに価格が高騰した食材のうち、使用頻度の高い味付かんぴょうが中国産で不作となり前年から30%以上の価格高騰が見込まれるほか、海苔も記録的な不作となるなど、大幅なコスト増が避けられないものもみられた。 ただ、太巻きに用いられる玉子焼きでは鶏卵価格が一転して下落しているほか、昨シーズンに3割以上の値上がりとなった穴子も価格が落ち着いた。水産品では、他にもまぐろやいくら、ほたて、くるまえび、いくらなどで最大で20%超の安値と、価格が高騰した昨シーズンに比べ大幅に下落した品目も多く、海鮮恵方巻きで価格の据え置きや小幅な値上げが目立つ要因となった。