パドレスと契約合意の松井裕樹に米記者が「興味深い」と指摘した”3つ”の理由
3度のセーブ王に輝いた左腕のメジャー移籍先が決まった。東北楽天ゴールデンイーグルスから海外FA権を行使していた松井裕樹が、パドレスと総額2800万ドル(約39億9000万円)で5年契約を結んだことが現地23日(日本時間24日)に発表された。 【動画】圧巻のピッチング! 松井裕樹、流石の39セーブ目をチェック 2013年のドラフトで、5球団競合により楽天にドラフト1位入団した松井は、1年目は先発で17試合に登板。2年目からリリーフに転向し、ここまでNPB通算236セーブをマークしている。 そんな松井について『MLB.com』のデビッド・アドラー記者は「MLBに移籍したフリーエージェントとしては最も話題にはならないが、最も興味深い投手かもしれない」とし、さらに「サンディエゴにとって興味深い補強となる3つの理由」を紹介している。 その1つ目が「最近のMLB史上で、松井は最も背の低い投手のひとりになる」という点だ。松井の身長は公称で174センチ、74キロだが、「クレイトン・アンドリュース(5フィート6)と、マーカス・ストローマン(5フィート7インチ)に次いで3番目に小さい」と指摘している。 今季のパ・リーグでクローザーを務めた投手の中でも一番身長が低かった松井だが、自己最多の39セーブを挙げて2年連続でセーブ王のタイトルを獲得した。 身長の高低が成績に比例しないことはすでに日本で証明しているが、日本よりもタフな環境に置かれるメジャーの舞台で、クローザーとしての実力をどこまで発揮できるか注目だ。 2つ目に「5フィート8インチの左投手としては驚異的な速さだ」と、最速154キロを誇る松井のストレートを絶賛している。 浮き上がるような球質が特長で空振りを奪える。今季の奪三振率は「11.30」で、昨季は自己最高の「14.46」を記録した。抑えに転向したプロ2年目からは奪三振率「10.00」以上を9年連続でマークしている。高校時代から大器の片りんを見せ、夏の甲子園で1試合22奪三振という大会記録も樹立した。 驚異的な真っすぐだけではない。変化球を見てみると、カーブ、チェンジアップの他に、鋭く曲がるスライダーで幾度となく空振りを奪ってきた。スライダーが代名詞ともいえる松井だが、アドラー記者が3つ目に挙げたのが「左利きのスプリッターはMLB打者に珍しい印象を与える」という点だった。 大谷翔平や元ヤンキースの田中将大もスプリットを武器に相手打者を翻弄してきた。左腕の松井から繰り出されるスプリットに対して、メジャーの各打者がどんな反応を示すのか。そして、どんな対策を講じるのか。その1球1球から目が離せない。 身長193センチの大谷のように決して恵まれた体格とはいえない松井だが、そんな小柄な野球選手が海を渡って夢をつかめるのも、メジャーリーグという舞台。本拠地のペトコ・パークで、松井が三振の山を築く姿が今から待ち遠しくなってきた。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]