認知症の早期発見へ体制整備 厚労省、1万人対象の実証研究
認知症やその前段階の人を早期発見して医療や支援につなげる体制整備のため、厚生労働省研究班が約1万人を対象にした実証研究を4日までに始めた。オンラインなどで無料検査し、認知機能低下が見られた人には医療機関での受診を推奨する。北海道、秋田、神奈川、愛知、大阪、兵庫、鳥取、島根、鹿児島の9道府県36自治体で実施予定。 研究成果を生かし、本年度内に自治体向けの認知症の早期発見や介入の手引を作成する方針。研究班の国立長寿医療研究センターの桜井孝研究所長は「誰でも治療を受けることができる社会システムをつくっていくことが大事だ」と話している。アルツハイマー病については新薬「レカネマブ」が昨年末に発売されたが、軽度の人が対象で、早期診断が課題となっている。 対象自治体の公共施設や医療機関で研究への参加を呼びかけるポスターを掲示。参加者はスマートフォンやタブレットで専用サイトにアクセスすれば検査が受けられる。所要時間は20分程度で結果はすぐに分かる。対面で検査する場合もある。