動画で見る津波リスク 専門家警鐘 県がシミュレーション作成
RAB青森放送
あすは巨大地震、そして津波から身を守る訓練が初めて県内一斉に行われます。 想定はこちら青森県東方沖のマグニチュード9・1の地震です。 先ほどは揺れへの対応をお伝えしましたが県はことし新しく津波のイメージ動画を作りました。 ここからはより大きな被害をもたらす津波への対応を専門家とともに考えます。 ★青森放送 菅原厚 キャスター 「海から2キロほど離れた八戸市津波防災センターがあるこの辺りの津波の浸水深は最大で10メートルが予想されています。こちらの防災センターでいいますと上のせり立った避難場所のわずか手前まで津波が押し寄せることになります」 こちらは日本海溝でマグニチュード9.1の巨大地震が発生したときの津波を想定して県がつくったシミュレーション動画です。 八戸市では39分後、最大で26.1メートルの津波が押し寄せ広い範囲が浸水。 太平洋沿岸では10メートル以上の巨大な津波が押し寄せます。 第一波の到達時間は最も早い東通村では19分とされています。 最悪の被害が想定されているのは市街地に人が多く出て雪や寒さが避難を妨げる「冬の午後6時」です。 県全体の犠牲者は最大5万3,000人、建物は11万棟あまりが全壊。 犠牲者の9割が津波によるもので、いかに早く逃げるかが鍵を握ります。 ★県海岸津波対策検討会の座長 八戸工業大学大学院 佐々木幹夫 名誉教授 「津波が来ることは間違いない 500年先になるのか10年以内にわれわれが体験してしまうのかはわからないだけども津波に対応する必要があります」 太平洋側の巨大地震ではおよそ1時間半後湾内の青森市にも津波が押し寄せることが想定されています。 高さは最大5.4メートル。 犠牲者は八戸市が1万9000人なのに対し青森市は2万1000人。 なぜ青森の方が多いのか…? 専門家は対策が遅れている陸奥湾沿岸に警鐘を鳴らします。 ★八戸工業大学大学院 佐々木幹夫 名誉教授 「5メートルといっても青森市の中に這い上がってくるとほとんど木造家屋は全壊します 海岸沿いに密集地があることと(陸奥湾沿岸の多くは)逃げれるという認識の程度なのでじゃあどこが避難場所としていいのか避難経路はどうなっているのかこれをしっかりさせないといけない」 日本海側を震源とする巨大地震の場合は特に「早い津波」への警戒が必要です。 太平洋側より震源が陸に近いため、深浦では第一波がわずか数分で押し寄せるとされています。 ★八戸工業大学大学院 佐々木幹夫 名誉教授 「日本海側は気象庁の発表を聞いて避難するという時間的な余裕はないです 深浦では大きいところだと22メートルを超える津波が10分以内で来ますから(揺れたら)自分で判断しないといけない」 国の想定では速やかに避難した場合、犠牲者は7割から8割減るという予測も出ています。 専門家は訓練の意義を強調します。 ★八戸工業大学大学院 佐々木幹夫 名誉教授 「津波で助かった人に共通しているのはとっさの判断だったと でもあとから考えると自分がとった行動は普段とっていた行動だと 避難行動をいかに誘いこんで来れるかもっといっぱいの人が避難できるようにそれをみせなければいけない呼びかけなければいけない大事だと思います」