29カ所に蛍かご、一の坂川に初夏の風物詩【山口】
山口市の大殿地域を流れる一の坂川でゲンジボタルが乱舞するのを前に、市民団体「つむぎラボ」(粉川妙代表)のメンバー8人が14日、同地域の店舗や施設29カ所の軒に蛍かご計120個を取り付けた。歴史情緒あふれる街並みで風にくるくると回る蛍かごが初夏の訪れを告げている。 同地域を着任地とする元地域おこし協力隊員の粉川代表(48)が、アート作品を設置し回遊性強化と活性化を図ろうと2018年に企画。隊員を卒業した19年に代表として同ラボを立ち上げ、毎年飾り付けを行っている。 蛍かごは名田島産の麦わら約80本をらせん状にして作ったもので、高さは20~30㌢。かつてはかごの中にホタルを入れて、一夜限りのランタンとして使用していたという。 粉川代表は、市が米有力紙の特集「今年行くべき旅行先」で3番手に選ばれたが、評価された市民の四季を大切にする日常を見てもらいたいと、あえて特別なことはしなかったという。「7年目で定着してきたと感じる。蛍かごを眺めながら風情ある街歩きを楽しんでほしい」と話している。 蛍かごは6月10日まで設置する。大殿ホタルを守る会の岡田勝栄さんによると、今月7日にホタルの成虫を初観測。例年通りであれば今月末~6月初週に発生のピークを迎えるという。