内灘・西荒屋4割「危険」 知事会見
石川県の馳浩知事は5日、県庁で会見した。液状化が確認された内灘町の建物の応急危険度判定で西荒屋、室・湖西地区の約4割が「危険」と判定されたと明かした。国に本格的な調査を要請しているとし、「町の要請を基に、全面的に復興を後押ししていく」と述べた。被害が深刻化した原因については、地盤が水平方向に動く「側方流動」が重なったためと説明した。 県によると、西荒屋地区では、県道周辺で地面が70㌢上昇し、1・3㍍横滑りした。応急危険度判定の「危険」は町全体では25・7%(432件)だったが、同地区は37・2%(161件)だった。約570戸が断水中で、上水道は今月末までに県道沿いで仮復旧を終えるとした。下水道は町全体の53%が被災した。 馳知事は、用地の境界や基準が分からなくなるといった課題があると指摘し、「極めて深刻な状況で、地盤状況をしっかり調査する必要がある」と強調した。 ●「町内で集団移転も」川口内灘町長 会見に同席した川口克則内灘町長は、被害が大きい地区は住民の高齢化率が高く、町外への移転を望まないだろうと見立て、「極論を言えば町内での集団移転という考え方も出てくるかもしれない」と述べた。