市販の豚肩ロース肉から使用禁止の成長促進剤 全ロット回収へ/台湾
(台北中央社)中部・台中市内で販売されていた冷凍豚肩ロース肉から使用が認められていない成長促進剤のベータアゴニスト「シンブテロール」が検出されたことが2日、台中市政府衛生局の発表で分かった。製造元の台湾糖業(台糖)は、外部委託している食肉処理業者内で二次汚染が起きた可能性があるとの見方を示し、全ロットを回収すると明らかにした。 衛生局によると、問題の豚肩ロース肉は1月15日に国防部(国防省)福利事業管理処に所属する売店で販売されていた。抜き取り検査の結果、シンブテロール0.002ppmが検出された。 衛生福利部(保健省)食品薬物管理署の林金富副署長は電話取材を受け、2014年から23年までに衛生当局が行った豚肉に対する抜き取り検査数は1万9300件で、これまでベータアゴニストは検出されていなかったと説明。今回検出された量は微量で、健康への影響はないと語った。 台糖は中央社の取材に、国営事業として成長促進剤を使うことはないと強調。現在は養豚場や飼料工場、加工場で衛生当局が検査を行っているとした上で、同社の肉製品は全て生産履歴があり、情報をさかのぼれるとし、消費者に対し安心してほしいと呼びかけた。 (曽智怡、沈佩瑤/編集:齊藤啓介)