「Beelink EQ13」レビュー、電源内蔵でさらに省スペースになったIntel N200搭載ミニPC
本体内部にアクセスするには、裏返して四隅にあるゴムキャップを取り外してからネジを外します。ベアボーンキットで提供される機種ではないので、分解のしやすさはさほど重視されていないのかな?と思いきや、ネジを取ったあとに裏蓋を引き上げるためのつまみがご丁寧に用意されているのはちょっと不思議な作りです。 裏蓋を取ると、左側にSO-DIMMのDDR4メモリスロット(1枚)、右端に内蔵電源ユニットが見えます。中央に鎮座する大きな黒いヒートシンクを外すとM.2(Type 2280)SSDが現れ、隣に空きスロットが1つあります。標準搭載されるSSDは1枚ですが、2枚搭載することを前提にした位置・サイズのヒートシンクが備わっているのは増設時にありがたいところ。 最初から入っている右側のスロットのSSDの下には無線LANカードが隠れており、Intel AX101が採用されていました。
■「N200」を搭載したミニPCは意外と貴重 Alder Lake-Nプロセッサについておさらいしておくと、Jasper Lake世代のCeleron/Pentium Silverの後継として2023年初頭に登場したエントリー向けCPUです。 それだけならさほど注目される存在ではなかったでしょうが、Pコア(高性能コア)とEコア(高効率コア)を組み合わせたハイブリッドアーキテクチャの第12世代CoreからEコアだけを拝借して生まれたという経緯から、新世代のCPUコアが使われ大幅にパワーアップしており、ミニPCやUMPCなど低価格・省電力と相性の良いジャンルで続々と採用され盛り上がっています。 Alder Lake-Nには、Intel Prosessor N50/N95/N97/N100/N200、Core i3 N300/N305というバリエーションがあり、基本的に数字が大きいものほどCPUのコア数とクロック、内蔵GPUのEU数が上になっています。 搭載製品が多いのはN95やN100あたりで、N200はLenovoやHPのChromebookのほか、法人向けですがSurface Go 4に採用されている程度。「N100の上位版」という気になる存在でありながら、ミニPCでは意外と珍しいCPUです。 N100とN200の仕様上の違いとしては、CPUクロックが3.4GHzから3.7GHzに向上し、GPUが24EUから32EUに増える程度。多少グラフィック性能が上がるとはいえ、ゲームや動画編集のような「N100では出来ないことが出来る」というほどの差ではないですし、性能差を実感できる場面は少ないかと思います。 とはいえ、モバイル向け(Uシリーズ)の第8世代Coreプロセッサと同等程度には快適に使えてしまうAlder Lake-Nのコストパフォーマンスの高さには改めて驚かされます。ベンチマーク結果もいくつか添えておきますが、Google Chromeで十数個タブを開いて作業したり、YouTubeでフルHDの動画を再生したりしてみても不足はなく、事務用途なら十分快適に使えます。