<鬼滅の刃>“お館様”森川智之が語る収録秘話 “無惨”関俊彦と「最も熱く静かで神聖な戦い」
吾峠呼世晴(ごとうげ・こよはる)さんの人気マンガが原作のアニメ「鬼滅の刃」の新作テレビアニメ「柱稽古編」。最終話となる第8話が6月30日に放送され、鬼殺隊の当主・お館様こと産屋敷耀哉(うぶやしき・かがや)と鬼の始祖・鬼舞辻無惨(きぶつじ・むざん)が対峙(たいじ)するシーンが描かれた。産屋敷と無惨のこの場面は、ファンの間でも屈指の名場面とされている。産屋敷耀哉を演じる人気声優の森川智之さんに収録の裏側を聞いた。 【写真特集】「鬼滅の刃」 お館様の生き様 鬼舞辻無惨とついに 「竈門炭治郎 立志編」「無限列車編」 胸が熱くなる名場面
◇鬼舞辻無惨との初めての対峙 「秘める思いを熱くたぎらせ」
森川さんが演じる産屋敷は、鬼殺隊を束ねる当主であり、これまでも鬼殺隊最強の剣士・柱をはじめとした隊士たちを導いてきた。森川さんは、「鬼滅の刃」の最大の魅力を「人の想い(おもい)」だと語る。
「それは他人を敬う気持ちだったり、もちろん家族や友人に対する想い。カタチあるものではない部分を描き、そこを焦点としている。それが『鬼滅の刃』の最大の魅力なのではないかと思います」
「柱稽古編」の第7話、最終話では、病床に伏す産屋敷の元に無惨が現れるシーンが描かれた。産屋敷と無惨が対面するのはこれが初めて。無惨を演じる関俊彦さんとの収録に、どのような思いで臨んだのだろうか。
「ファンの皆さんや柱たちにとっては、この対峙は避けたかったことなのかもしれません。でも彼にとっては覚悟の上だと思います。収録はお館様の内に秘める思いを熱くたぎらせながらも、静かに穏やかな気持ちで臨みました。演出意図を踏まえながら掛け合い部分の収録をさせていただきました。声優としては、この緊迫したせりふの掛け合いの瞬間は、ある種の至福の時でした。僕にとって、最も熱く静かで神聖な戦いでした」
◇お館様の“言葉”に込めた思い
産屋敷と無惨は元々は同じ血筋で、産屋敷は一族から鬼を生み出してしまったことを悔い、無惨打倒を一心に願ってきた。自身を殺しにやってきた無惨に対し、産屋敷は「永遠というのは人の想いだ 人の想いこそが永遠であり不滅なんだよ」と“人の想いの強さ”を説いた。竈門炭治郎役の花江夏樹さんも「このシーン、このせりふが『鬼滅の刃』なんじゃないかと思っている」と語っていた。