富山県黒部市、地震被災者受け入れ 温泉と市営住宅提供
富山県黒部市は11日、宇奈月温泉の宿泊施設と市営住宅を組み合わせ、広域滞在型の避難所として能登半島地震の被災者を受け入れると発表した。「広域一時滞在パッケージ」として、被災者は宇奈月温泉に1週間~10日ほど滞在した後、市営住宅に入居。宿泊中に市が入居のための家財道具を用意する。被災者が家財道具をそろえる必要がなく、市側も被災者と相談して準備できるため、無駄が少ないという。 宇奈月温泉は県内最大の温泉地。市は宿泊施設の多さを生かし、被災者がより良い環境で過ごせるよう、宇奈月温泉旅館協同組合の協力を得て被災者の受け入れを決定。入居先探しや家財道具の準備の負担を減らし、2次避難のハードルを下げようと、宿泊施設と市営住宅を組み合わせた受け入れ体制を整えた。市は全国的にも珍しい取り組みとしている。 宿泊施設は常時10部屋約50人分を確保、市営住宅は50戸約250人分を提供できるという。石川、富山両県の被災者が対象で、地元の県や市町村を通じて受け付ける。被災者にはまず宇奈月温泉で体調を整えてもらい、温泉滞在中に市が市営住宅の入居希望を聞き、家財道具をそろえるなど受け入れ準備を進める。滞在先には保健師が巡回して健康状態を確認する。
市営住宅への入居時は、なるべく同じ自治体の出身者が近くに居住できるようにし、コミュニティーづくりを支援する。家賃は「みなし仮設住宅」の段階が終わるまで市が負担する。