オウム元幹部6人の死刑執行、上川法相が会見(全文1) 極めて凶悪重大な犯罪
組織的、計画的に敢行され、過去に例を見ない今後二度と起きてはならない極めて凶悪重大犯罪
判決などでも指摘されているところですが、これらの犯行は松本がオウム真理教を設立して、その勢力を拡大し、さらには救済の名の下に日本を支配して自らその王となることまでをも空想して、小銃の製造、サリンの製造といった武装化を進め、その中でその妨げとなるとみなしたものは教団の内外を問わず、これを敵対視し、その悪行をこれ以上積ませないようにポアする、すなわち殺害するという身勝手な教義の解釈の下に、その命を奪ってまでも排斥しようとして殺人、殺人未遂等に及び、さらにはサリンを用いて二度にわたり不特定多数の者に対する無差別テロにまで及んだものでした。 これらの犯行は組織的、計画的に敢行されたものであるとともに、過去に例を見ない、そして今後二度と起きてはならない、極めて凶悪重大なものであり、わが国のみならず諸外国の人々をも極度の恐怖に陥れ、社会を震撼させました。特にサリンといった化学兵器までもが用いられ、一般市民を対象とした無差別テロが行われたことは、世界にも衝撃を与えました。また、弁護士一家殺害事件については、教団に敵対するものであるという理由だけで、なんら落ち度のない、弁護士だけでなくその妻や1歳2カ月の子供までをも殺害したものであり、それ自体、残酷きわまりないものであるとともに、弁護士一家が突然行方不明になった事件として大々的に報道され、救出活動が展開されたものの、長期間経過後遺体が発見されたという経緯も含め、社会に大きな衝撃を与えました。 これらの犯行では数多くの尊い命が奪われ、また一命は取り留めたものの多くの方々が障害を負わされ、中には重篤な障害を負われた方々もおられました。 これらの犯行によって命を奪われた被害者の方々、そのご遺族、また一命は取り留めたものの障害を負わされた被害者の方々、そのご家族が受けられた恐怖、苦しみ、悲しみは想像を絶するものがあります。そしていずれのものについても、裁判所における十分な審理を経た上で最終的に死刑が確定したものです。 本日の死刑執行については、以上のような事実を踏まえ、慎重な上にも慎重な検討を重ねた上で執行を命令した次第です。 司会:それでは質疑を行います。まず幹事社さんからお願いします。会見前にお願いしましたとおり、質問が複数ある場合にも1問ずつでお願いいたします。