巨人・泉圭輔が1069日ぶり白星 山川の人的補償で西武へ移籍した甲斐野との絆
◆JERA セ・リーグ 巨人9―4広島(12日・東京ドーム) 記念球を手に、巨人・泉圭輔投手(27)は晴れやかな笑顔を浮かべた。「初勝利も1年目の4月。その時を思い出すような感慨深い気持ちになりました」。ソフトバンク時代にプロ初勝利を挙げたのは19年4月22日のオリックス戦。舞台は現在の本拠地・東京Dだった。あれから5年。巨人のユニホームに袖を通し、今季初登板で6回1イニングを無安打無失点2奪三振。つかんだ移籍後初勝利は、21年5月9日以来1069日ぶりの白星だった。 【動画】トレード加入の高橋礼&泉圭輔、阿部監督の前でピッチング披露 弱かった自分を振り払うように腕を振った。先頭・坂倉に死球を与え「本当に申し訳なかった」と頭を下げた。それでも続く田中、田村を連続K。最後は宇草を遊ゴロで役割を果たした。直後に味方が大逆転。3月上旬の台湾遠征後、阿部監督に「打たれたくない気持ちを捨てなさい」と精神面の成長を求められた。「自分のボールに自信を持つことを大事に」と自分自身のベストパフォーマンスを出すことに集中し、白星を呼び寄せた。 昨オフ、ウォーカーとのトレードで高橋礼とソフトバンクから巨人入り。オフに合同自主トレを行った同期、西武・甲斐野の存在が支えになった。「僕がトレードになった時に、寂しいねって話をしてたんですけど」。泉の移籍後、甲斐野も山川の人的補償でソフトバンクから西武へ。「福岡と東京で離れるのを寂しく思ってたんですけどね」と笑ったが、「彼も頑張っている」と旧友の活躍に励まされた。 ともに移籍した高橋礼は自身が1軍に合流した4月7日のDeNA戦で移籍後初勝利。「2人で入ったのに礼さんだけ輝いて、自分が遅れて見えた。トレードに見合う選手になりたい」。強い思いが結果に結びついた。「今は自分のボールに自信を持って、のびのびと野球ができているし、楽しさを感じている」。温かな歓声に包まれながら余韻に浸った。(水上 智恵) ◆泉 圭輔(いずみ・けいすけ)1997年3月2日、金沢市生まれ。27歳。金沢西から金沢星稜大を経て、18年ドラフト6位でソフトバンク入団。同大初のNPB選手。20年~22年まで3年連続30試合以上登板。23年11月、ウォーカーとのトレードで高橋礼とともに巨人へ。188センチ、80キロ。右投右打。年俸2700万円(推定)。
報知新聞社