亀田問題、ついに資格審査委員会へ
IBF、WBA世界スーパーフライ級統一戦において起きた“亀田問題”について、JBC(日本ボクシングコミッション)の浦谷信影・事務局長代理は18日、近く「資格審査委員会」を開く考えがあることを明らかにした。 3日に大阪で行われたWBA、IBF世界Sフライ級統一戦においてWBA王者のリボリオ・ソリスが計量に失敗。WBA王座は、剥奪されたが、試合は行われることになり、前日のルールミーティングでは「亀田大毅選手が負けた場合はIBF王座は空位」となることが確認されていた。だが、亀田が判定で敗れるとIBFの立会人が、前日の発言を一転させて「IBF規則では負けても防衛」と、タイトル保持を認めて大混乱を招いた。 JBCは、翌日からIBF本部へ文書を送るなど調査に乗り出したが、亀田陣営が、「前日から(負けても防衛のルールを)知っていた」と発言したため、これを問題視。倫理委員会を開き、17日には亀田ジムの吉井慎次会長、嶋聡マネージャー、亀田プロモーション代表の亀田興毅の代理人である北村晴男弁護士を呼び、その発言に至る経緯などの事実関係を確認していた。JBCは、その聴聞内容をこの日までに顧問弁護士を交えて精査してきたが、「処分、対応を決めたということではなく、事情確認などの結果を受けて、近いうちに資格審査委員会を開くことになります」(浦谷事務局長代理)と、今後の方向性を決定したもの。 ■資格審査委員会とは 資格審査委員会とは、JBCが発行している各種ライセンスの得喪を審議する委員会。厳重注意、戒告、罰金などの処分を審議する場は、倫理委員会なので、資格審査委員会が開かれるということは、亀田ジムに交付されているクラブオーナー、プロモーター、マネージャーのいずれかのライセンスについての停止もしくは、取り消しの処分が審議されるものと考えられる。 JBCサイドは、当初から今回の一連の亀田陣営の発言をボクシング界の信頼と権威にかかわるものとして深刻に捉え、このような問題の再発防止のためにも灰色決着で終わらせず、厳しい態度で臨む構えであることを明らかにしていた。前日の聴聞において亀田陣営が、これまでの発言を一切訂正、修正することがなかったため、JBCサイドが亀田陣営へ交付しているライセンスの得喪について資格審査委員会を開き審議することを決めたものだ。各種ライセンスの停止処分となれば、一時的にしろ亀田ジムが活動停止せざるを得ない状況となり、国内での亀田大毅、亀田和毅両選手の防衛戦の開催は不可能になる。 ■問題の決着 越年が決定的 規則では、処分を行う場合は、ライセンス保持者に「処分の原因となった事実」を伝えた上で、意見陳述の機会を与えねばならないとされている。また、その意見陳述の14日前までに当事者に通知しなければならないため、亀田問題の決着は、越年することが決定的になった。処分決定後にも、亀田陣営が、不当処分として司法に訴えることも十分に考えられ、この問題の最終決着は、まだまだ先に引き延ばされそうだ。 (文責・本郷陽一/論スポ、アスリートジャーナル)