【バレー】髙橋 頌インタビュー(前編) 世界最高峰・ポーランド1部リーグで契約を勝ち取った、もう1人の“TAKAHASHI”。
今年はVNL(バレーボールネーションズリーグ)で史上初の3位に入賞し、実に46年ぶりのメダルを獲得。そして、パリ五輪予選/ワールドカップバレー2023ではパリ五輪出場権を獲得した“龍神NIPPON”。 2014年に図った世代交代と、7年越しの強化策が実を結び、ようやく世界の強豪国と互角に渡り合える、史上最高レベルのメンバーが揃ったのだ。 高橋藍(日本体育大学4年/モンツァ・セリエA)、高橋健太郎(東レアローズ)、高橋和幸(ジェイテクトSTINGS)、高橋慶帆(法政大学2年)……。 2023年度男子バレーボール日本代表チームには、現在4名の「高橋」が選手登録されている。 ただし、2024年度男子バレーボール日本代表チームには、5人目の“高橋”が名を連ねるかもしれない。 世界最高峰のポーランド1部リーグ・KS Norwid Częstochowaに所属する日本人リベロ、髙橋 頌(たかはし・しょう)。 V2リーグ・埼玉アザレアを退団後、モンゴル・ポーランド・フィンランドなど活躍の場を国外に移した、海外組の1人だ。 2022-2023シーズンに当時ポーランド2部リーグだった同チームに入団すると、レギュラーシーズン、PLAYOFFを勝ち抜いて、チーム史上初のリーグ制覇に貢献。 悲願のポーランドリーグ1部昇格を果たし、2023-2024シーズンも契約を継続することが発表された。 本記事では、オフシーズンを迎えて一時帰国中の髙橋頌にインタビューを実施。世界最高峰と謳われるポーランドリーグや、世界ランキング1位(2023年7月26日時点)であるポーランドのバレーボール事情、2022-2023シーズンの振り返り、2023-2024シーズンの展望などを伺った。
ポーランドリーグ・ポーランドのバレーボール事情について
ー改めて、2022-2023シーズンお疲れ様でした。また、PlusLiga(ポーランドリーグ1部)昇格おめでとうございます! 髙橋頌さん:ありがとうございます。 ーまずは、今シーズンを振り返って質問させていただきます。入団までの経緯をお聞きかせください。 髙橋頌さん:はい。昨シーズン(フィンランド1部リーグ・Perungan Pojatに所属)の活躍をチェックしていた、現在の所属チーム・KS Norwid Częstochowaからシーズン終了後にオファーを受けて、単年での契約をしました。 ーファーストリベロでの起用が前提という契約内容だったんでしょうか。 髙橋頌さん:そうです。 ーポーランドの2部リーグは、日本のVリーグと比べて、どのくらいのレベル感なんですか? 髙橋頌さん:僕のイメージですけど、Vプレミアリーグの中位~下位のチームだったら、結構いい戦いができるんじゃないかと思います。 ーなるほど。 髙橋頌さん:V2リーグのチームが相手だったら、僕たちのチーム・KS Norwid Częstochowaや、PLAYOFF決勝で戦ったMKS Będzinというチームは、圧倒して戦えると思います。 ー2022-2023シーズンに、ポーランド2部リーグで、髙橋さんの他にプレーしていた日本人選手はいますか? 髙橋頌さん:いませんでした。アジア人もいなかったはずです。 ー数少ない日本人・アジア人として、周囲から好奇の目を向けられることはありませんでしたか? 髙橋頌さん:一切ないですね。チェンストホバのサポーターからは、むしろ歓迎というか、すごくウェルカムな雰囲気でした。不調だった日に、それなりに厳しい言葉をもらうことはあったかもしれませんが、レイシズムのようなものを感じたことは一切ありませんでした。 ーありがとうございます。ホームタウン・チェンストホバは、ポーランドの中でどういう立ち位置の街なんでしょうか。たとえば、日本でいうと、大阪とか、京都とか、名古屋とか……。 髙橋頌さん:うーん。難しいですね……(笑) ーちなみに、ポーランドの首都ってどこなんですか? 髙橋頌さん:首都はワルシャワです。チェンストホバの近くには、カトヴィチェとクラクフという有名な都市があるんですけど、そのちょっと上のところ、ちょっと外れたところにあるんですよ。なので、日本でいうと埼玉とか茨城とかっていう感じでしょうか。割とすぐ都心部に移動できる、ある程度栄えている街です。バレーに集中できる環境は整っていると思います。