桂由美さん、政界入りの誘いを固辞 鳩山一郎夫婦と深い交流
ブライダルデザインの第一人者として世界的に活躍したファッションデザイナーの桂由美(かつら・ゆみ、本名・結城由美=ゆうき・ゆみ)さんが26日、死去した。94歳だった。 桂さんは1886年に女性の「自立と自活」を建学の精神に創立された私立学校、共立女子の出世頭ともいえる。終戦から4年後の1949年に設置された同校の大学の1期生。すでに将来を見定め、家政学部で被服を学んだ。女性の大学進学率がまだまだ低かった時代だ。 大学卒業したときの学長が、鳩山薫さん。元首相、鳩山一郎氏の妻だ。桂さんは在学中から目立っていた。天才的な存在といわれ、リーダーシップ能力も目を引いたという。それらを評価して夫婦は桂さんに政治家としての才を感じ取っていた。しかし本人は母親の仕事を継ぎ、裁縫を極める考えを固めており、立ち消えになった。 しかし、桂さんは鳩山一郎氏から男女関係なく「挑戦に限界なし」を教わる。この考えが、日本にとどまることのない活躍にもつながっていく。生涯にわたって、桂さんの内面を支え、背中を押し続けた。
報知新聞社